病気診断.net病名・症状から調べる病気の辞典

咽頭炎

最終改定日:

概要

咽頭炎は、鼻や口の奥から食道・喉頭につながる咽頭に炎症が起きた状態です。急性ではのどの痛み、飲み込むときの痛み、発熱、首のリンパ節の腫れなどがみられ、いわゆる「のど風邪」の一部として起こることが多くあります。声がれや咳が中心の場合は喉頭など別の部位の病気も考えます。症状が長く続く場合は、原因を改めて確認する必要があります。

原因

急性咽頭炎の多くはウイルスによるもので、細菌ではA群溶血性レンサ球菌(溶連菌)が重要です。咳、鼻水、発熱、扁桃の白い付着物などは診断の手がかりですが、見た目や熱だけで原因を決められません。たばこの煙などによる刺激でものどが痛むことがあります。長引く症状を繰り返すときは、感染以外の原因も含めて評価します。

治療法

飲める範囲で水分をとり休養し、痛みや熱には年齢・持病・妊娠などを踏まえて解熱鎮痛薬を医師・薬剤師に相談します。通常の急性咽頭炎に抗菌薬は一律に使わず、溶連菌が疑われる場合は迅速抗原検査や培養などを考慮し、確認された場合に処方します。うがいは症状を和らげる選択肢の一つですが、病原体を治す必須の治療ではありません。呼吸や飲み込みに異常がある場合は直ちに受診します。

呼吸・嚥下の異常は救急へ

息苦しい、息を吸うと高い音がする、唾液を飲めずよだれが出る、急速に悪化する場合は救急受診し、呼吸困難なら119番へ連絡します。口が開けにくい、片側だけひどく痛む場合も扁桃周囲膿瘍などを考えて当日中に相談してください。

飲めない・脱水が疑われたら早めに相談

水分がとれない、尿が減る・色が濃い、高い熱が続く、免疫を抑える治療中などの場合は早めに医療機関へ相談します。のどの痛みの強さだけでなく、飲水量、尿量、息苦しさ、経過を伝えてください。

抗菌薬の判断に必要な検査

診察では咳や鼻水、扁桃の腫れ・付着物、首のリンパ節、流行状況などを確認します。溶連菌が疑われる場合に迅速抗原検査や培養を検討します。白い付着物や発熱だけで細菌性と決めず、検査の必要性も医師と相談します。

ウイルス性には抗菌薬を使わない

多くの咽頭炎はウイルス性で、抗菌薬は効きません。国内の外来手引きでは、通常の急性咽頭炎で溶連菌が確認されない場合に抗菌薬を使わないことを推奨しています。溶連菌が確認されれば医師が抗菌薬を処方します。薬剤アレルギーを伝え、処方を自己判断で中断・変更しないでください。

痛みを和らげて水分を保つ

水分を少しずつ飲み、食べやすいものを選び、休みます。たばこや煙を避け、年齢や持病に合う痛み止めを相談してください。うがいをする場合も無理はせず、子どもに塩水うがいを強いません。うがいだけで溶連菌感染などの治療に代わるわけではありません。

改善しない・繰り返す場合は原因を再確認

のどの痛みが改善しない、何度も繰り返す、口や首のしこり・口内の潰瘍が長引く場合は、耳鼻咽喉科などで別の原因も確認します。急に片側の痛みや開口障害が出た場合は様子を見ず、当日中に相談してください。

参考資料

  1. 抗微生物薬適正使用の手引き第四版・医科外来編:急性扁桃炎を含む咽頭炎(2026年1月)厚生労働省
  2. Sore throat: self-care, when to seek help and urgent signs(2024年4月最終レビュー)NHS
  3. 扁桃周囲膿瘍および蜂窩織炎:病因・診断・治療(2024年2月更新)MSDマニュアル プロフェッショナル版
ページの先頭へ