概要
慢性扁桃炎という言葉は、のどの違和感や痛みが続く状態と、急性扁桃炎を何度も繰り返す状態(反復性・習慣性扁桃炎)の双方に使われます。症状が長引くだけでは扁桃が原因と確定できません。受診時は発症した日、発熱、飲み込みづらさ、欠勤・欠席、受けた検査や治療を記録して伝えると評価に役立ちます。息苦しさ、唾液が飲めない、片側だけ急激に痛む場合は急性合併症も考えます。
原因
急性扁桃炎はウイルスや細菌によって起こり、繰り返す場合があります。持続するのどの痛みには扁桃以外の原因もあるため、同じ「慢性扁桃炎」として自己判断せず耳鼻咽喉科で確認します。また「扁桃病巣疾患」は単に細菌が全身へ広がるという意味ではなく、扁桃での免疫反応が関係すると考えられる病態です。代表例にIgA腎症や掌蹠膿疱症がありますが、のどの症状だけでこれらを診断したり、全例を扁桃が原因と断定したりはできません。
治療法
症状が出た際には水分と痛みへの対応を行い、急性増悪時の抗菌薬は細菌感染の可能性や検査結果を踏まえて医師が判断します。繰り返すことだけを理由に抗菌薬を飲み続ける治療ではありません。重い再発が続き生活に支障がある場合は、発作回数と重症度、手術による利益、術後の痛み・出血、休養期間を耳鼻咽喉科で相談します。扁桃摘出後も扁桃以外が原因の咽頭痛は起こり得ます。腎臓や皮膚の病気が疑われる場合は、それぞれの専門診療と合わせて治療方針を検討します。
呼吸や飲み込みの異常は急いで受診
息苦しい、唾液が飲めない・よだれが出る、急にのどが腫れる場合は救急受診し、呼吸が苦しいときは119番に連絡します。片側の強い痛み、口が開きにくい、こもった声は扁桃周囲膿瘍などの可能性があるため当日中に相談してください。慢性的な症状と決めつけないことが大切です。
再発の記録をつけて耳鼻咽喉科へ
痛みや発熱が始まった日、診療で扁桃炎と確認されたか、溶連菌などの検査、抗菌薬の使用、学校・仕事を休んだ日数を記録します。軽いのどの痛みが続く場合も、別の原因を含めて耳鼻咽喉科で確認します。再発回数だけで手術を決めず、生活への影響も伝えます。
抗菌薬は急性増悪の評価に応じて
扁桃炎の再発すべてに抗菌薬が必要なわけではありません。ウイルスが原因なら効かず、通常の急性咽頭・扁桃炎では溶連菌の可能性と検査結果などを踏まえて処方が判断されます。自己判断で残った薬を飲まず、薬剤アレルギーや過去の検査結果を医師に伝えてください。
手術は利益と負担を比べて選ぶ
重い扁桃炎を何度も繰り返し、欠勤・欠席など生活への影響が大きい場合は扁桃摘出術を相談できます。再発する扁桃炎は減らせても、扁桃以外によるのどの痛みまでなくなるわけではありません。全身麻酔、術後の痛み・出血、休養に必要な日数、再発記録を専門医と確認し、本人・家族の希望を含めて決めます。英国の手術回数基準を国内の一律基準として当てはめません。
腎臓・皮膚の病気は別に評価
尿の異常を指摘された、手のひらや足の裏に繰り返す膿疱があるなどの場合は、IgA腎症や掌蹠膿疱症を含めて腎臓内科・皮膚科で評価を受けます。扁桃との関係や扁桃摘出術の適否は病気の診断と状態によって異なり、のどの見た目だけで決められません。関係が疑われるときは耳鼻咽喉科と専門科で相談します。
手術後の出血はすぐ病院へ
扁桃摘出を受けた後、口から鮮血が出る、血を吐く、繰り返し血を飲み込むなど出血が疑われたら、手術した病院または救急医療機関にすぐ連絡してください。痛みで水分がとれない場合も相談します。術後の食事や活動制限は手術施設の指示を優先してください。