概要
急性扁桃炎は、のどの奥にある口蓋扁桃が急に赤く腫れ、のどの痛みや飲み込むときの痛み、発熱などが出る状態です。ウイルスでも細菌でも起こり、白い付着物や高熱があっても、それだけで抗菌薬が必要とは決められません。水分がとれない、片側だけの強い痛みや口の開けにくさが出る場合は、扁桃周囲炎・膿瘍など別の評価が必要です。
原因
原因の多くはウイルスで、細菌ではA群溶血性レンサ球菌(溶連菌)が重要です。厚生労働省の外来手引きでは、急性扁桃炎を急性咽頭炎に含めて扱い、抗菌薬の要否を症状だけで一律に決めないよう勧めています。発熱、のどの赤み、白い付着物は診断の手がかりですが、咳や鼻水の有無、周囲の流行、診察所見も合わせて考えます。
治療法
休養、飲める範囲での水分補給、痛みや熱を和らげる方法を相談します。溶連菌感染が疑われる場合は迅速抗原検査や培養を検討し、確認された場合には抗菌薬を使います。ウイルス性の症状や溶連菌が確認されない通常の急性咽頭・扁桃炎に、抗菌薬を一律には使いません。水分がとれない場合や、息苦しさ、唾液を飲めない、口が開けにくいなどの変化があれば緊急の評価が必要です。
呼吸・飲み込みの異常は救急へ
息苦しい、唾液を飲み込めずよだれが出る、のどの腫れが急速に進む、口を開けられない場合は、扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎なども考えて救急受診してください。呼吸が苦しい場合は119番へ連絡します。特に小児では無理に口の奥をのぞこうとせず、楽な姿勢を保ってください。
飲めない・片側だけひどい痛みは当日相談
水分をほとんどとれない、のどの片側が強く痛み耳まで響く、こもった声になる、急に悪化した場合は当日中に医療機関へ相談します。診察では飲水量、尿の量、痛みが片側か、口を開けられるかを伝えてください。
抗菌薬の前に溶連菌の可能性を評価
診察でのどの腫れ、咳や鼻水、首のリンパ節などを確認します。溶連菌が疑われるときは迅速抗原検査や培養を検討します。白い付着物や高熱だけで溶連菌とは決められず、風邪の症状がはっきりある場合は検査が不要なこともあります。陰性でも強く疑う小児では追加の培養を医師が考えます。
抗菌薬が必要な場合と不要な場合
ウイルス性の扁桃炎には抗菌薬は効きません。国内手引きは、通常の急性咽頭・扁桃炎で溶連菌が確認されていない場合に抗菌薬を使わないことを推奨しています。溶連菌が確認された場合の第一選択はアモキシシリンですが、薬や期間は医師の処方に従い、アレルギー歴を伝えてください。膿瘍など重い別の病態があれば治療方針が変わります。
痛みを和らげ、水分を保つ
少しずつ水分をとり、休養します。年齢や持病に合った解熱鎮痛薬の使用は医師・薬剤師に相談してください。うがいだけで原因感染が治るわけではなく、子どもに無理にうがいをさせません。飲み込めない、尿が少ないなど脱水が心配なときは早めに再相談します。
改善しない・繰り返すときは再評価
症状が長引く、いったん良くなってから悪化する、同じような扁桃炎を何度も繰り返す場合は受診して経過を伝えます。別の感染症や扁桃周囲炎・膿瘍の評価が必要なことがあります。扁桃摘出術は全員の治療ではなく、重い再発を繰り返す場合などに相談します。