概要
肝臓に生じるがんのうち、肝細胞から発生する肝細胞がんを中心に説明します。胆管から発生する肝内胆管がんや、他の臓器から肝臓に転移したがんとは治療方針が異なります。初期は症状に乏しく、進行すると腹部の痛みや膨満感、食欲低下、黄疸などがみられることがあります。
原因
B型・C型肝炎ウイルスの持続感染が主な危険因子です。アルコール摂取、脂肪肝、肥満、糖尿病、喫煙なども関係します。慢性肝疾患のある方は、主治医と検査・治療の方針を相談してください。
治療法
がんの数や大きさ、転移の有無だけでなく、残る肝臓の働き(肝予備能)を確認して選びます。状況により切除、局所アブレーション、肝動脈化学塞栓療法、薬物療法、放射線治療などを検討します。薬物療法には免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬を用いる場合があります。肝機能と全身状態によって適する治療が異なるため、担当医と選択肢を確認することが重要です。
症状がなくても慢性肝疾患の相談を
初期の肝細胞がんは自覚症状が乏しいことがあります。肝炎ウイルス感染、肝硬変、脂肪肝などや肝機能の異常を指摘された方は、内科・消化器内科で今後の検査と治療を相談してください。症状がないことを、検査をやめる理由にはできません。
ステージに加えて肝臓の働きが重要
肝予備能とは、残る肝臓の働きがどの程度保たれているかという評価です。がんの数・大きさ・転移などによるステージとは別に確認します。同じステージでも肝機能によって治療が違うため、両方の評価と提案された治療の理由を聞きましょう。
生存率の数字を読むときの注意
生存率は過去に診断された集団の結果で、現在の治療を受ける一人ひとりの見通しをそのまま示しません。治療の進歩、病期、肝機能、体の状態によって状況は異なります。数字だけで判断せず、自分の治療で期待する効果や負担を確認してください。