概要
ウイルス性脳炎は、ウイルス感染によって脳に炎症が起きる病気です。単純ヘルペスウイルスや日本脳炎ウイルスなど、原因によって検査と治療が異なります。発熱・頭痛に加え、急に反応が鈍くなる、言動がいつもと違う、けいれん、手足が動かしにくいなどの症状があれば救急受診が必要です。単純ヘルペス脳炎では初期に発熱や頭痛が目立たない人もいます。インフルエンザの後の意識障害は脳症など別の病態も考え、家庭で原因を決めつけません。
原因
単純ヘルペスウイルスは感染や再活性化で脳炎を起こすことがあります。日本脳炎はウイルスを持つ蚊に刺されて感染し、感染しても症状が出ない人が大半ですが、脳炎を発症すると重くなることがあります。医療機関では症状と経過を踏まえ、MRI、髄液検査とウイルスの検査などを組み合わせ、細菌性髄膜炎、自己免疫性脳炎、脳症なども含めて評価します。日本脳炎は国内の定期接種や渡航状況に応じた予防相談の対象ですが、接種の要否と時期は接種歴・年齢・行き先を確認します。
治療法
ウイルス性脳炎が疑われる場合は入院して全身の状態、けいれん、呼吸を管理します。単純ヘルペス脳炎が疑われるときは、検査結果を待たずアシクロビルの点滴を開始することが重要です。日本脳炎には特異的な抗ウイルス薬がなく、合併症の管理と支持療法を行います。治療後も記憶、行動、運動などの変化が残る場合があるため、必要に応じてリハビリテーションや経過観察を受けます。
意識や言動の変化・けいれんは救急
発熱の有無だけで判断しません。反応が鈍い、急に話が通じない、けいれん、片側の力が入らないなどがあれば救急受診します。
脳炎と脳症を自己判断で分けない
インフルエンザ後の神経症状には脳症なども含まれます。似た症状でも原因と治療が異なるため、医療機関で評価を受けます。
画像と髄液で原因を探る
MRIで脳の状態を見て、必要に応じて髄液の細胞やウイルスの遺伝子などを調べます。検査結果だけでなく症状と経過を合わせて判断します。
単純ヘルペス脳炎は早い点滴治療が重要
疑われる場合は確定検査を待たず、医療機関でアシクロビルを点滴投与します。家庭で飲み薬を使って様子を見る病気ではありません。
日本脳炎の予防接種歴を確認
日本脳炎には予防接種があります。接種歴が不明な場合や海外渡航時は、年齢と行き先を伝えて医療機関・自治体に相談します。