概要
亜急性甲状腺炎は、甲状腺に炎症が起こり、首の前側の痛み・腫れや発熱などが現れる病気です。痛む場所が左右に移ることがあります。炎症で蓄えられたホルモンが血液へ漏れ出すと、動悸、汗が多い、だるさなどが起こります。
炎症は多くの場合数か月で落ち着きますが、その後にホルモンが不足する時期を経ることがあります。一部では不足が続き、ホルモン補充が必要になります。自然に軽快することが多くても、痛み・発熱の原因の確認と経過観察は必要です。
原因
風邪のような症状の後に起こることがあり、ウイルスとの関連が疑われていますが、原因は十分に解明されていません。
同じような痛み・発熱でも、細菌感染による急性化膿性甲状腺炎、甲状腺の嚢胞への出血などでは治療が異なります。症状だけで決めつけず、血液検査や超音波などで区別します。
治療法
痛みや発熱の程度に応じて、非ステロイド性抗炎症薬やステロイド薬などを使います。強い動悸にはβ遮断薬などで症状を抑える場合があります。ホルモンの流出による状態なので、バセドウ病のように抗甲状腺薬で合成を抑える治療を通常行いません。
ステロイド薬は症状と検査を見ながら減らします。痛みが消えたからと急に中止すると再燃する場合があるため、減量は指示に従ってください。回復期にホルモン不足が続く場合は補充療法を検討します。
炎症反応とホルモン値の両方を見る
CRPや赤沈などの炎症の指標、TSH・遊離T4などのホルモン関連の検査、超音波の所見を合わせて判断します。ホルモンが高いという結果だけでバセドウ病と診断するものではありません。 採血は病型の判断だけでなく、治療中や回復期の変化を確認するためにも行います。痛みが減った後の再検査の予定も聞いておきましょう。
減量中に痛みや発熱が戻ったら相談
薬の減量中に痛みや発熱が戻る場合は、早めに主治医へ連絡してください。自分で以前の量へ戻したり、余っていた薬を飲んだりせず、症状と経過を伝えます。 炎症が落ち着いてから、寒がり、むくみ、疲れやすさなどが出た場合も相談します。ホルモン不足が一時的か続いているかを確認し、必要な治療を判断します。
診察で伝えることと確認すること
首の痛みの始まった時期、発熱、痛む場所の移動、動悸、使った薬を伝えます。『痛みを抑える薬の使い方』『ステロイドの減量予定』『次の採血』『体調に合わせた活動の再開』を確認しましょう。 強い首の腫れや飲み込みにくさがある場合は早めに受診し、呼吸がしにくい場合は救急対応が必要です。別の原因による病気も含めて評価します。