概要
黄色ブドウ球菌食中毒は、食品の中で菌が作ったエンテロトキシンを食べて起こる毒素型の食中毒です。食後30分~数時間で急な吐き気・嘔吐、腹痛、下痢が起こり、多くは1日ほどで回復します。ただし繰り返す嘔吐で水分を保てない場合は脱水が問題になります。発熱や血便が強い場合は別の原因も考え、医療機関へ相談してください。
原因
黄色ブドウ球菌は人の皮膚や鼻、傷口などにも存在し、調理する手から食品に付着することがあります。おにぎり、弁当、サンドイッチなど調理後に手で触れ、すぐ食べずに置かれる食品で増殖し、毒素を作ります。菌を加熱で減らせても、既に作られた毒素は通常の再加熱で壊れにくいため、「温め直せば安全」とは判断できません。
治療法
基本は水分補給と吐き気などへの対症療法です。水分を飲めない、尿が少ない、立つとふらつく場合は点滴の要否を医療機関で判断してもらいます。原因は細菌が食品中で作った毒素なので、通常は抗菌薬を使いません。同じ食品を食べた人にも症状があるときは、食品・発症時刻・症状を伝えて相談してください。予防は手洗い、傷のある手で食品を直接触れないこと、調理後の適切な冷蔵と早めの喫食です。
食後すぐの強い嘔吐が手がかり
原因食品を食べてから30分~数時間で吐き気・嘔吐が急に出ることがあります。ただし発症時刻だけで原因を確定できません。食事内容と時刻を控えます。
吐いて水分を保てないなら相談
嘔吐が続き飲めない、尿が少ない、立つとふらつく場合は脱水の可能性があり医療機関に相談します。血便や強い発熱などがあれば別の原因も評価が必要です。
毒素による食中毒に抗菌薬は効かない
胃腸症状を起こすのは食品中で作られた毒素です。通常、抗菌薬は治療に使わず、補水を中心に症状をみます。
毒素は温め直しても残る
菌が作ったエンテロトキシンは加熱に強く、調理済み食品を放置してから再加熱しても安全とは限りません。食品に菌を付けず、増やさないことが重要です。
手の傷・保存温度に注意
手洗いを行い、手に傷や化膿がある場合は食品を素手で扱うことを避けます。調理済み食品は適切に冷蔵し、早めに食べます。