概要
副甲状腺機能亢進症は、カルシウムの調節に関わる副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌される状態です。副甲状腺そのものに原因がある原発性と、腎臓の病気などに反応して分泌が増える続発性では、血液検査の特徴と治療が異なります。
原発性では血中カルシウムが高くなり、骨がもろくなる、尿路結石、口の渇き、多尿、だるさなどが起こることがあります。症状が乏しいまま健診などで見つかる人もいます。続発性ではPTHが高くても、カルシウムが低い場合や正常の場合があります。
原因
原発性の多くは良性の腺腫が原因です。複数の副甲状腺が大きくなる過形成、まれに副甲状腺がんもあります。遺伝性の病気が関係することがあり、若い年齢での発症や家族歴などに応じて調べます。
続発性の代表的な原因は慢性腎臓病です。リンの排泄やビタミンDの働きが変化し、副甲状腺が刺激されます。ビタミンD不足などによることもあり、PTH値だけを見て腫瘍と決めつけることはできません。
治療法
原発性の根治を目指す治療は、原因となる副甲状腺を摘出する手術です。症状がある場合だけでなく、症状がなくてもカルシウム値、骨密度・骨折、腎機能・結石、年齢などから手術を検討します。切除する範囲は病型に合わせます。
手術を行わない場合も、カルシウム、骨、腎臓を定期的に確認し、必要に応じて薬物治療などを相談します。続発性では原因の治療とカルシウム・リンの管理が基本で、薬で十分に抑えられない場合などに手術を検討します。
採血・尿検査・画像は目的が違う
カルシウムとPTHを組み合わせ、腎機能、リン、ビタミンDなどから病型を調べます。原発性が疑われる場合には、骨密度や結石の有無、尿中カルシウムなども評価します。 首の超音波やシンチグラフィーなどは、手術に向けて原因となる副甲状腺の位置を調べるために使います。画像で見つからない場合でも、それだけで病気を否定できません。
無症状でも治療の相談が必要な理由
痛みやだるさがなくても、骨密度が低下していたり、画像で結石が見つかったりすることがあります。『手術を勧める理由は何か』『手術しない場合に何をいつ調べるか』を確認してください。 手術には期待できる効果と合併症があり、すべての症状が改善するとは限りません。検査結果と持病、本人の希望を踏まえて方針を決めます。
食事と手術後の注意
原発性だからという理由で、食事のカルシウムを極端に減らしたり、ビタミンD・カルシウムのサプリメントを自己判断で増やしたりしないでください。腎臓病がある場合の食事指示は別に確認します。 手術後には、骨へカルシウムが取り込まれることなどで血中の値が下がる場合があります。口の周りや手足のしびれ、筋肉のこわばりが出たら医療機関へ連絡してください。術後も採血や骨の状態の確認が必要です。
意識の変化や強い脱水は救急受診
高カルシウム血症が重くなると、強い脱水や意識障害が起こることがあります。反応が鈍い、意識がおかしいなどの変化があれば119番へ連絡してください。繰り返す嘔吐や水分が取れない状態も速やかに受診します。自覚症状だけでカルシウム値の高低は判断できません。