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ネフローゼ症候群

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概要

ネフローゼ症候群は、尿へ大量のタンパクが漏れ、血液中のアルブミンが低下する状態を示す病名です。一つの原因だけで起こる病気ではありません。まぶたや脚のむくみ、体液がたまることによる体重増加、尿の泡立ち、だるさなどが見られます。腎機能の低下、血栓症、感染症などを伴う場合もあるため、尿の見た目やむくみだけで判断せず検査を受けます。

原因

腎臓の糸球体という血液をろ過する部分の障害で、タンパクが尿へ漏れます。明らかな全身の原因疾患がない一次性(原発性)と、糖尿病、自己免疫疾患、感染症、がん、薬などが関係する二次性(続発性)を区別します。一次性にも微小変化型、膜性腎症、巣状分節性糸球体硬化症などの病型があり、経過や治療は同じではありません。

治療法

原因や病型、腎機能、合併症に応じて治療します。病気そのものの治療に加え、減塩や利尿薬によるむくみの管理、血圧・尿タンパク・脂質への治療などを行います。ステロイドや免疫抑制薬が必要かは病型ごとに判断し、全員に同じ薬を使うわけではありません。食事、水分、活動、服薬、検査の計画を担当医や管理栄養士と確認します。

尿量の低下や発熱は早めに連絡、急な呼吸困難は119番

尿が明らかに少ない、むくみや体重が急に増える、発熱や強い腹痛がある場合は、速やかに医療機関へ連絡してください。血栓症や感染症、腎機能の悪化などを確認する必要があります。急な呼吸困難、強い胸痛、意識がおかしい場合は119番です。通院中は、予約を待たず連絡する症状と連絡先を確認しておきましょう。

成人の診断は、尿タンパクと血液のアルブミンを確認

国内の成人診断基準では、尿タンパク3.5g/日以上が続き、血清アルブミン3.0g/dL以下になることを確認します。蓄尿できない場合は尿タンパク/尿クレアチニン比を用いることもあります。単位は尿の量を示すLではなく、タンパク量のgです。小児には別の基準があります。血液・尿検査に加え、原因に応じて腎生検などを検討し、むくみやコレステロール値だけで診断しません。

原因による分類と、治療への反応は別に考える

一次性・二次性は原因による分類です。一方、ステロイド抵抗性、依存性、頻回再発型、難治性などは治療反応や経過に関する呼び方で、同じ意味ではありません。検査で分かった病型と、自分の治療反応の評価を確認しましょう。成人と小児では判定や治療が異なるため、別の患者の治療予定をそのまま当てはめないでください。

減塩・水分・タンパク質・活動は個別に決める

むくみを抑えるために減塩を行いますが、水分やタンパク質の量は病型、腎機能、栄養状態などに応じて決めます。尿へタンパクが漏れるからと高タンパク食にしたり、極端に減らしたりしないでください。全員に長い絶対安静が必要なわけでもありません。入院・仕事・学校・運動について、今の病状でできる範囲を医療者に確認しましょう。

治療中は感染予防と、発熱時の連絡を確認

病気や免疫を抑える治療によって、感染症の危険が高くなる場合があります。発熱、咳、体調の悪化などは早めに連絡し、市販薬だけで様子を見続けないでください。予防接種は、薬の種類や治療時期に応じて担当医と相談します。薬を自己判断で中止せず、飲めないときや体調が悪いときの対応も確認しておきましょう。

むくみが減っても、尿と血液の経過を追う

むくみが減ることと、尿タンパクが改善して寛解に至ることは同じではありません。尿タンパク、アルブミン、腎機能、血圧などで経過を確認します。尿の泡立ちだけで再発と決めず、記録する項目、再検査の時期、家庭で尿検査をする必要があるかを相談してください。薬の効果と副作用、再発の有無に合わせて治療計画を調整します。

参考資料

  1. 一次性ネフローゼ症候群:成人・小児の診断、治療反応、助成の重症度(2024年4月)難病情報センター・難治性腎障害に関する調査研究班
  2. Nephrotic Syndrome in Adults:原因・検査・治療・栄養(2020年10月見直し)米国国立糖尿病・消化器病・腎疾病研究所(NIDDK)
  3. 一次性ネフローゼ症候群(指定難病222):一般向け解説(本文2023年10月更新)難病情報センター・難治性腎障害に関する調査研究班
  4. ネフローゼ症候群診療ガイドライン2020:食事療法・生活指導(本文62–64ページ)日本腎臓学会・難治性腎障害に関する調査研究班
  5. Renal Vein Thrombosis:症状・原因・検査・治療・経過(2026年4月見直し)Cleveland Clinic
  6. 救急車利用リーフレット・成人版:急な呼吸困難・胸痛・意識障害・出血総務省消防庁
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