急な体調悪化・意識障害への対応
強い渇きや尿の増加、体重減少がある場合は早めに受診してください。嘔吐・腹痛・強いだるさが加わる、食事や水分がとれない場合は、速やかに医療機関へ連絡します。意識がおかしい、けいれん、深く速い呼吸や強い息苦しさがある場合は119番へ連絡してください。 治療中は低血糖でも意識を失うことがあります。意識が悪い人に飲食物を無理に与えず、家族は事前に教わった救急時の対応を行います。
概要
1型糖尿病は、膵臓でインスリンをつくるβ細胞の働きが失われ、インスリンが不足する病気です。子どもだけでなく成人にも起こります。強いのどの渇き、尿の増加、体重減少、疲れやすさなどが現れることがあります。
進み方には急性発症、劇症、緩徐進行などの違いがあり、ゆっくり進むタイプでは当初は症状が目立たないこともあります。一方、急激な不足では糖尿病ケトアシドーシスを起こし、緊急治療が必要です。症状の有無や現れ方は進行の速さによって異なります。
原因
β細胞が障害される原因には、自分の細胞を免疫が攻撃する自己免疫などが関わりますが、すべてが明らかになっているわけではありません。食べ方や運動習慣だけが原因という病気ではありません。
血糖やHbA1cのほか、インスリン分泌や自己抗体の検査を組み合わせて病型を判断します。自己抗体が検出されないタイプもあり、一つの結果だけでは診断できません。
治療法
不足するインスリンを補い、低血糖にも配慮しながら血糖を管理します。インスリンがほとんど出ない状態では、インスリンの補充は生命の維持に不可欠です。緩徐進行型では、残っている分泌と経過に応じて治療を決めます。
治療には複数回の注射やインスリンポンプがあり、血糖自己測定、持続グルコース測定(CGM)などを活用します。センサーと連携してインスリン投与を調整する機器も国内で使われていますが、食事などへの対応や操作の学習は引き続き必要です。生活、低血糖の状況、費用などを相談して選びます。
食事・運動と低血糖への備え
食事は成長や活動に必要な栄養を確保し、炭水化物量とインスリンの関係を学びます。運動をする際の測定、補食、インスリン調整は、活動内容に合わせて事前に医療チームへ相談してください。 低血糖の初期症状、ブドウ糖などの携帯、周囲へ助けを求める方法も確認します。学校や職場には、本人の希望を尊重しながら必要な対応を共有しましょう。
センサーやポンプを選ぶときの確認点
CGMは皮下の間質液のグルコースを測るため、血液で測る値と差が出ることがあります。症状と表示が合わないとき、アラートが鳴ったときなどの対応は、機器に応じて事前の指導を受けてください。 『注射とポンプで生活上の負担はどう変わるか』『機器が使えないときの代替方法』『費用や保険適用』『測定記録をどう振り返るか』を確認すると、選んだ治療を続けやすくなります。機器の表示だけを根拠に、指示のないインスリン追加をしないでください。
食べられない日も治療を自己中断しない
シックデイに備え、測定する項目、インスリンの調整方法、夜間の連絡先、早急に受診する症状を医療チームと書面などで共有しておきます。食べられなくても基礎インスリンが必要なことがあるため、自己判断ですべての投与を中止しないでください。 食事や水分がとれない場合は早めに連絡してください。日常の記録をもとに、低血糖を避ける目標や眼・腎臓などの定期検査も相談します。