変化する色素斑は皮膚科へ
新しくできた、広がる、色や形が変わる、出血する色素斑や爪の黒い線は皮膚科で確認してください。痛み・かゆみがなくても受診の判断を先送りしません。
概要
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚の色素を作る細胞から生じるがんです。日本人では足の裏・手のひら・爪にできるタイプが比較的多く、顔や胴体にも生じます。色素斑やしこりの左右非対称、輪郭の不整、色むら、大きさや形の変化が受診の手がかりです。痛みやかゆみがなくても否定できません。口などの粘膜や眼にできるものは診療の考え方が異なるため、ここでは主に皮膚のメラノーマを扱います。
原因
メラノサイトという細胞の悪性化で生じます。紫外線が関与する病型もありますが、足の裏・手のひら・爪などに生じる末端型を含むすべての病型を、日焼けだけで説明することはできません。見た目だけではほくろと区別しにくく、皮膚科で視診・ダーモスコピーを行い、必要に応じて生検による病理診断を受けます。
治療法
治療は腫瘍の厚さ、リンパ節や臓器への広がり、全身状態などで決まります。早期の皮膚病変では切除が中心で、必要に応じてセンチネルリンパ節生検を検討します。再発リスクが高い場合の術後補助療法や切除困難・転移例では、免疫チェックポイント阻害薬を用い、BRAF変異などの条件に合う場合は分子標的薬も選択肢です。放射線は脳・骨転移などで検討し、従来の細胞障害性抗がん剤が常に第一選択とは限りません。薬には重い副作用もあるため、病期と治療目的、遺伝子検査、副作用、経過観察の計画を担当医と確認します。
形・境界・色・変化を伝える
左右非対称、境界の不整、色むら、拡大や変化は診察の手がかりです。一つの特徴だけで良性・悪性は決まらないため、いつからどう変化したかを伝えます。
ダーモスコピーと病理検査
医師は拡大鏡のダーモスコピーで観察し、必要なら生検した組織を病理検査します。確定後は病期に応じて転移の有無を評価します。
病期で治療の目的が変わる
早期は切除による根治を目指します。腫瘍の厚さなどでセンチネルリンパ節生検や術後補助療法を検討し、進行・再発では全身治療を組み合わせます。
免疫療法と遺伝子変異に応じた薬
免疫チェックポイント阻害薬が重要な選択肢です。BRAF変異が確認され、適応がある場合にはBRAF/MEK阻害薬を検討します。効果と免疫関連有害事象などの副作用を医師と確認してください。
診察で確認したいこと
「病理診断と病期は何か」「手術・センチネルリンパ節生検の目的」「術後補助療法や遺伝子検査の対象か」「副作用と通院計画」を尋ねると、治療を比較しやすくなります。