概要
多発性筋炎は、免疫の働きが筋肉に炎症を起こす病気で、肩や太ももなど体の中心に近い筋肉の力が落ちます。椅子から立ち上がりにくい、階段を上りにくい、腕を上げて髪を洗いにくいといった変化が目安です。まぶたや手指の関節に特徴的な発疹がある場合は、主に皮膚筋炎を考えます。筋力低下が続くならリウマチ・膠原病内科や脳神経内科に相談してください。むせて食べられない、急な息切れや呼吸の苦しさがある場合は、早急に医療機関へ相談します。
原因
自己免疫が筋肉を傷つけることが関わりますが、なぜ発症するかは一人ひとり明らかとは限りません。筋力と皮膚を診察し、血液のCKなどの筋酵素や自己抗体、筋肉のMRI・筋電図、必要に応じて筋生検を組み合わせて診断します。空咳や息切れがあれば間質性肺疾患も調べ、胸部画像や呼吸機能を評価します。病型や年齢に応じて悪性腫瘍の確認が必要な場合もあります。筋力低下の原因はほかにもあるため、血液検査だけで確定しません。
治療法
治療は副腎皮質ステロイドを中心に、病状や副作用に応じて免疫抑制薬などを組み合わせます。間質性肺疾患や飲み込みの障害があれば、その重症度も考慮して治療を調整します。薬を自己判断で増減・中止しないでください。活動は一律の長期安静でも、痛みを我慢して運動することでもなく、炎症と筋力を見ながら医療者とリハビリの開始時期・強さを決めます。温めるだけで病気の活動を抑えることはできません。定期的に筋力、血液検査、肺の状態や薬の副作用を確認します。
立ち上がり・階段・腕上げの変化を記録
肩や太ももの筋力低下で日常動作が難しくなります。いつから、どの動作ができないかを伝えます。
むせ・空咳・息切れも重要
嚥下障害や間質性肺疾患を伴うことがあります。むせて食べられない、急な呼吸困難は速やかに相談します。
筋肉・肺を組み合わせて評価
CK、自己抗体、MRIや筋電図、必要な場合の筋生検に加え、肺症状や病型に応じて関連する臓器を調べます。
薬と活動量を病状に合わせて調整
ステロイドや免疫抑制薬で炎症を抑え、リハビリは筋力と炎症の状態に応じて医療者と決めます。