概要
天疱瘡は、自分の皮膚や粘膜の細胞同士をつなぐ成分を攻撃する抗体によって、水ぶくれや皮膚のただれができる自己免疫性の病気です。尋常性天疱瘡では口の中の痛いただれから始まることが多く、食べたり飲んだりしにくくなる場合があります。落葉状天疱瘡では頭、顔、胸、背中などに浅いびらんやフケ状の皮むけが出て、通常は口の粘膜を侵しません。類天疱瘡は名前が似ていますが別の病気です。痛いびらんが続く、水疱が広がる、食事や水分が取れない場合は皮膚科を受診してください。
原因
尋常性・落葉状天疱瘡では、デスモグレインなど細胞の接着に関わるタンパク質への自己抗体ができ、皮膚や粘膜がはがれやすくなります。なぜ自己抗体が生じるかは十分分かっていません。人にうつる病気ではありません。診断には症状だけでなく、皮膚や粘膜の生検での組織・免疫検査、血液の自己抗体検査などを組み合わせます。
治療法
皮膚科専門医が病型と重症度を評価し、ステロイド内服を軸に、必要に応じて免疫抑制薬、抗CD20抗体療法、免疫グロブリン療法などを検討します。病変が広い、口の痛みで食べられない場合は入院して創部の保護、水分・栄養管理、感染の確認を行うことがあります。治療薬には感染症などの副作用があるため、症状と検査で効果・副作用を継続評価します。薬を自己判断で減量・中止せず、新しい水疱や発熱があれば担当医に連絡してください。
水疱と口のびらんは専門診断へ
似た水疱症と見分けるため、生検や自己抗体検査の必要性を皮膚科で相談します。
食べられない・飲めない場合は早めに連絡
口の痛みが強く水分や食事を取れない場合は、脱水や栄養状態を含めて評価を受けます。