概要
胎便吸引症候群は、胎便が混じった羊水を出生前後に吸い込んで肺に炎症や閉塞が生じ、呼吸障害を起こす状態です。胎便混濁があっても、すべての赤ちゃんが発症するわけではありません。発症すると速い呼吸、うなり声、胸がへこむ呼吸、青紫色の皮膚などがみられます。出生直後の呼吸が弱い、顔色が悪い場合は新生児医療チームが直ちに評価します。
原因
胎便は胎児期や分娩時に羊水へ出ることがあり、低酸素などのストレスと関係する場合がありますが、胎便混濁だけで病気とはいえません。吸い込んだ胎便は気道をふさぎ、肺に炎症を起こし、酸素の取り込みを妨げます。重症例では気胸や新生児遷延性肺高血圧症を伴うことがあります。呼吸状態、酸素飽和度、胸部画像などをもとに評価します。
治療法
必要な場合は保温、呼吸の補助、酸素投与、人工呼吸などを優先します。2025年の新生児蘇生指針では、胎便が混じるだけで全員の口・鼻・気管を日常的に吸引することは推奨されません。換気時に気道閉塞が疑われる場合に限って吸引を検討します。重症例ではNICUで肺高血圧や気胸にも対応します。抗菌薬は感染が疑われる場合などに検討し、胎便混濁だけで全例に投与するものではありません。
呼吸障害は直ちに評価
速い呼吸、うなり声、胸がへこむ呼吸、チアノーゼがあれば直ちに新生児医療チームが評価します。
胎便混濁と発症を区別
羊水に胎便があるだけでは吸引症候群とは限りません。呼吸症状と検査から判断します。
一律吸引ではなく呼吸補助を優先
胎便混濁だけを理由に日常的に吸引せず、気道が塞がっている場合に限って検討します。
肺高血圧・気胸にも対応
重症例では呼吸障害に加えて肺高血圧や気胸がないか確認します。