概要
肝嚢胞は肝臓の中に液体がたまった袋状の病変です。通常の単純性肝嚢胞は血液がたまった袋ではありません。健診の超音波検査などで偶然見つかり、多くは無症状で良性です。大きくなって胃などを圧迫すると腹部の張り、痛み、食欲低下が出る場合があります。急な強い腹痛や発熱は嚢胞内の出血・感染などを考えるため、早めに医療機関に相談してください。嚢胞が多数ある場合は、腎臓の嚢胞を伴う病気なども確認します。
原因
単純性肝嚢胞の多くは生まれつきの成り立ちと考えられます。超音波で液体だけの典型的な形かを確認し、内部の仕切りや壁の異常など非典型的な所見があるときは、別の嚢胞性病変との区別が必要です。必要に応じてCTやMRIなどを追加します。外傷、感染、腫瘍性病変をすべて通常の単純性肝嚢胞と同一視しません。
治療法
無症状で画像上も典型的な単純性肝嚢胞なら、通常は治療を要しません。新しい症状や画像所見の変化がある場合は再評価します。圧迫による症状が嚢胞に由来すると判断されたときは、内容液を抜いて薬液を注入する治療や、腹腔鏡などで嚢胞の壁を開く手術を、嚢胞の場所・数・全身状態に応じて選びます。液を抜くだけでは再びたまることがあります。感染が疑われる発熱や強い痛みは速やかな診察が必要です。多発する嚢胞では腎臓の評価が必要な場合もあります。
通常は血液ではなく液体
通常の単純性嚢胞には液体がたまります。血液がたまるのは、出血が起きた場合などの例外です。
治療が必要な場合を見分ける
偶然見つかった無症状の典型的な嚢胞は治療を要しないことが多いです。大きさだけでなく、症状との関係や画像の特徴を確認します。
急な強い痛み・発熱は相談
感染や出血などが起こることがあります。急な強い腹痛や発熱があれば、嚢胞があることを伝えて医療機関で診てもらってください。
多発例は腎臓も確認
肝臓の嚢胞が多数ある場合、腎嚢胞を伴う病気もあるため、担当医に腎臓の評価が必要か確認します。