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旅行者下痢症

最終改定日:

概要

旅行者下痢症は、渡航中または帰国後に起こる下痢の総称で、原因をひとつに決める病名ではありません。腹痛、吐き気、嘔吐、発熱を伴うこともあります。多くは短期間で軽快しますが、血便、高熱、強い腹痛、飲めない嘔吐、尿が少ない・立ちくらみなど脱水の徴候があれば早めに受診します。帰国後に下痢が続く場合も、渡航先と滞在期間を伝えて相談してください。

原因

渡航先の食品や水を介した細菌、ウイルス、寄生虫による感染が主な原因です。細菌では病原性大腸菌、カンピロバクターなど、ウイルスではノロウイルス、長引く下痢ではジアルジアなどを考えます。非感染性の要因が重なることもありますが、「硬水や疲れのせい」と決めつけて血便や発熱を見逃さないでください。食品を十分に加熱し、安全な飲料水を選ぶことで危険を減らせますが、完全には防げません。

治療法

最初は安全な飲料水を使って水分と電解質を補い、脱水が心配なら経口補水液を少量ずつ飲みます。軽症では抗菌薬は通常不要です。生活に支障がある中等症以上や重症例では、医師が渡航先、血便・発熱、妊娠、年齢、持病などを踏まえて抗菌薬や検査の要否を判断します。血便または発熱がある下痢に、ロペラミドなどの止瀉薬を単独で使わないでください。2週間以上続く場合は寄生虫なども含めた評価が必要です。自己判断で予防的に抗菌薬を飲むことも勧められません。

血便・発熱・脱水は早めに受診

血便、高熱、強い腹痛、水分が取れない、尿が少ない、ふらつく場合は受診します。受診時には渡航国、帰国日、食歴、同行者の症状を伝えます。

まず安全な水で補水

安全な水で経口補水液を作り、少量ずつ補います。子ども、高齢者、持病のある人は脱水により早く注意が必要です。

抗菌薬は重症度で判断

軽症なら抗菌薬を通常使いません。重症度、渡航先の耐性菌、血便や発熱の有無を踏まえ、医師が必要性を決めます。

帰国後も続くなら寄生虫などを確認

2週間以上続く下痢ではジアルジアなどの寄生虫、感染後の腸症状、別の病気を検討します。自己判断で同じ抗菌薬を繰り返さず受診します。

加熱食品と安全な飲料水を選ぶ

加熱直後の食品を選び、安全性が確認できない生水・氷・生の食品に注意します。手洗いも大切ですが、対策しても発症を完全には防げません。

参考資料

  1. Travelers’ Diarrhea, CDC Yellow Book 2026(2026年3月更新)CDC
  2. Post-Travel Diarrhea, CDC Yellow Book 2026CDC
  3. 旅行から帰って厚生労働省検疫所 FORTH
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