概要
薬剤性大腸炎は、薬の使用に関連して大腸に炎症や障害が起こる状態の総称です。下痢、腹痛、血便などがみられますが、原因薬と発症の仕組みによって症状も時期も異なり、「服用後3~4日で必ず発症」とは言えません。血便、強い腹痛、発熱、頻回の下痢、水分が取れない・尿が少ないときは早めに受診してください。がん治療中の下痢は治療チームへ速やかに連絡します。
原因
原因には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による腸粘膜障害、抗菌薬後のC. difficile感染症、抗がん薬や免疫チェックポイント阻害薬に伴う腸炎など、異なる仕組みがあります。薬の開始日・変更日と症状の経過が重要ですが、同じ時期に起きた感染性胃腸炎や炎症性腸疾患なども考慮します。「腸内細菌がすべて死滅する」ことが共通の原因ではありません。
治療法
薬の名前、量、開始日、下痢・血便の始まった日、便の回数を記録し、処方医・薬剤師に連絡します。自己判断で処方薬を中止・再開せず、医師が原因薬の休薬・変更と代替治療を判断します。便検査、血液検査、必要に応じた画像・内視鏡で感染や出血などを確認します。C. difficile感染症ならそれに合った抗菌薬、免疫チェックポイント阻害薬に伴う大腸炎なら重症度に応じた専門治療が必要で、単に薬を止めるだけでよいとは限りません。脱水には補水も行います。
血便・強い痛み・脱水は早めに相談
血便、強い腹痛、発熱、頻回の下痢、飲めない・尿が少ない場合は早めに受診します。がん治療中なら治療チームへ速やかに連絡します。
処方薬も市販薬も記録する
処方薬、市販の痛み止め、サプリメントの名前と開始・変更日、症状の開始日と便の回数を整理し、受診時に伝えます。
薬ごとに原因と治療が違う
NSAIDsの粘膜障害、抗菌薬後のC. difficile感染症、がん薬による腸炎などを区別し、必要な検査や治療を選びます。
処方薬の中止・再開は医療者と決める
薬が疑わしくても、必要な治療を自己判断で中止・再開しないでください。症状が強い場合はすぐに処方元へ連絡します。