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尿路感染症(小児)

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概要

尿路感染症は、主に細菌が尿道や膀胱、腎臓などに感染する病気です。この記事は子どもの尿路感染症を扱います。膀胱炎では排尿時の痛み、頻尿、出しにくさなどが見られ、腎盂腎炎では発熱、腹痛、背中の痛み、吐き気・嘔吐などを伴うことがあります。乳児は発熱や哺乳不良だけで現れることもあり、排尿痛を訴えないからと否定できません。早い診断と治療が大切です。

原因

多くは、大腸菌などの細菌が尿の出口から尿路へ入り、上へ広がることで起こります。尿が膀胱から尿管へ逆流する膀胱尿管逆流や、尿路の構造・働きの問題が関係することがあります。便秘や排尿の問題も再発に関係するため確認します。おむつや育児の仕方だけを原因と決めず、症状、検査、過去の感染などをもとに評価します。

治療法

細菌による尿路感染症は抗菌薬で治療します。年齢、腎臓までの感染か、全身状態、尿培養の結果などで、薬と投与方法・期間を決めます。低月齢の乳児や、ぐったりしている、飲めないなどの場合は、入院や点滴治療を検討します。再発や尿路の異常がある場合は、小児科・小児泌尿器科などで検査と経過観察を行い、予防投薬や手術が必要か個別に判断します。異常が見つかった全員に手術が必要なわけではありません。

低月齢の発熱、飲めない・ぐったりは早く受診

生後3か月未満の発熱や、尿路感染が疑われる乳児は、速やかに医療機関へ連絡・受診してください。年齢にかかわらず、飲めない、繰り返し吐く、尿が少ない、ぐったりしている場合も早い評価が必要です。呼びかけへの反応が悪い、呼吸が苦しい、顔色が明らかに悪い場合は119番です。家庭で採尿できるまで、受診を待たないでください。

採尿の方法は医療機関に確認し、おむつの尿を絞らない

尿検査・尿培養は診断と薬の選択に役立ちます。可能なら抗菌薬前に検体を取りますが、重症の治療を遅らせません。自分で排尿できる子では途中の尿を採る方法、乳児では採尿バッグやカテーテルなどを検討します。バッグでは周囲の菌が混ざりやすく、別の方法で取り直す場合があります。おむつを絞った尿を自己判断で検体にせず、取り方と届ける時間を確認してください。

超音波や造影などは、年齢と感染の経過に合わせる

腎臓や尿路の形、尿の流れに問題がないか、超音波などで調べる場合があります。発熱のある感染、再発、尿の出にくさ、治療への反応などをもとに、追加の検査と時期を相談します。全員が同じ造影検査や腎臓の検査を受けるわけではありません。何を調べる検査か、結果をいつどう聞くか、専門医の診療が必要かを確認しましょう。

飲めない薬や続く発熱は連絡、改善しない場合は再評価

薬の量と期間は医師の指示に従い、体調がよくなっても自己判断で中止しません。吐いて飲めない、飲み忘れたなどの場合は、勝手に次の量を増やさず医療者へ相談します。治療開始後24〜48時間で改善しない、発熱が続く場合は連絡して再評価を受けてください。悪化した場合は待たずに受診します。培養結果で薬を変更することがあるため、結果の確認方法も聞いておきましょう。

便秘・トイレ習慣を整え、予防の薬は個別に相談

尿意を我慢し続けずトイレに行けるようにし、便秘や排尿の問題は相談します。脱水を避ける水分の取り方も確認してください。持病で水分の指示がある場合は、その計画に合わせます。初回の感染後、全員に予防の抗菌薬が必要なわけではありません。逆流や再発などで予防投薬を行う場合も、目的と期間、発熱時の対応を医師と確認し、家の残薬を使いません。

再び発熱したら、以前の尿路感染と検査結果を伝える

尿路感染症の既往がある子に発熱が出たときは、その経過を医師へ伝えてください。毎回の発熱が尿路感染とは限りませんが、再発を見逃さないための情報になります。感染日、培養結果、薬、画像検査、便秘や排尿の状況を記録し、尿路異常や腎機能の問題がある場合は指定された通院を続けます。全員が一律に長期通院・検尿を続けるわけではなく、次に受診する条件を確認します。

参考資料

  1. 小児の尿路感染:症状、尿培養、採尿、治療、経過観察日本小児泌尿器科学会
  2. Urinary tract infection in under 16s:症状・採尿・治療・再発予防と検査(NG224、2022年)英国国立医療技術評価機構(NICE)
  3. Pyelonephritis (acute): antimicrobial prescribing:検体・治療・48時間後の再評価(NG111、1.1)英国国立医療技術評価機構(NICE)
  4. 救急車利用マニュアル:こども(15歳以下)総務省消防庁
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