概要
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は、異常な形のプリオンたんぱく質が関わる、まれで進行の速い脳の病気です。物忘れや判断力の低下に加え、歩きにくさ、ふらつき、視覚の異常、突然の体のぴくつきなどが起こります。数週間から数か月で症状が目立って進む場合は、ほかに治療できる病気が隠れている可能性もあるため、早めに脳神経内科を受診してください。飲み込めない、転倒が続く、意識状態が急に悪化する場合は速やかに医療機関へ相談します。
原因
CJDの多くは孤発性で、明らかな感染経路なしに発症します。一部はプリオンたんぱく質を作る遺伝子の変化に伴う遺伝性で、医療行為に関連した医原性は非常にまれです。日常の接触で人から人へ広がる一般的な感染症として説明するのは正確ではありません。また、牛海綿状脳症(BSE)と関連する変異型CJDは、典型的な孤発性CJDとは別の病型です。診断では症状の経過を確かめ、脳MRI、髄液のRT-QuIC検査、脳波などを組み合わせ、ほかの原因を除外します。検査一つだけで自己判断しないことが大切です。
治療法
現時点で病気の進行を止めることが確認された治療はありません。医療チームは痛み、不安、体のぴくつきなどの症状を和らげ、転倒や飲み込みの問題に対応します。病状の進み方に合わせて、栄養、生活支援、介護体制を整えます。本人が希望を伝えられるうちに、療養場所や今後の医療・ケアについて本人、家族、医療者で話し合うことが役立ちます。日本では指定難病の医療費助成や患者・家族会の支援について主治医や相談窓口に確認できます。急速に悪化する病気ですが、経過には個人差があり、固定した余命を当てはめることはできません。
急速な認知・歩行の変化は脳神経内科へ
数週間から数か月で認知機能や歩行が悪化する場合は、治療できる別の原因も含め早めに評価を受けます。
多くは孤発性、病型を混同しない
遺伝性や医原性もありますが、日常接触で広がる一般的な感染症とは異なります。BSE関連の変異型は別の病型です。
MRI・髄液・脳波を総合して判断
MRI、髄液RT-QuIC、脳波と症状を組み合わせ、ほかの原因を除外します。
症状緩和と本人の希望を早期に相談
進行抑制薬は確立していません。嚥下や移動の支援、療養場所と今後のケアを医療チームと話し合います。