概要
D型肝炎ウイルス(HDV)が、B型肝炎ウイルス(HBV)とともに肝臓に炎症を起こす病気です。両方に同時に感染する場合と、HBVが持続感染している人にHDVが加わる場合があります。後者では慢性化や肝硬変への進行が問題になります。
原因
HDVは増殖にHBVを必要とし、血液・体液を介して感染します。B型肝炎ワクチンでHBV感染を防ぐことはD型の予防にもなりますが、すでにHBVに感染している人へのHDV感染を、このワクチンで防ぐことはできません。
治療法
肝臓専門医がウイルス検査と肝障害を評価し、治療を検討します。慢性D型ではペグインターフェロンなどが使われ、欧州ではbulevirtideが承認されています。国内での治療選択は専門施設に相談してください。B型用の核酸アナログだけでHDVを抑えられるわけではありません。
B型感染がある人は、肝炎の悪化を専門医に相談
D型はB型肝炎ウイルスの感染がある人に起こります。B型の持続感染中に黄疸や肝機能の悪化がある場合は、D型を含む原因の確認を肝臓専門医に相談します。国内では多くない病気ですが、渡航や血液・体液への接触歴も伝えてください。
抗体の検査と、活動性感染の確認
D型の診断では、抗体で感染歴を調べ、RNA検査で現在のウイルスを確認します。B型の検査だけでD型の状態は分かりません。検査結果が何を示すか、肝臓の線維化やがんの観察が必要かを専門施設で確認してください。
B型の治療と、D型への対応を分けて確認
B型に使う核酸アナログには、D型を直接抑える効果は確認されていません。欧州で承認された薬の情報が、そのまま国内の標準治療を意味するわけでもありません。またB型ワクチンは未感染者の予防に役立ちますが、既にB型感染がある人のD型感染を防ぐものではありません。