概要
直腸脱は、直腸の壁が肛門から外に出てくる状態です。初めは排便時のいきみで赤い膨らみが出て戻ることがありますが、進むと普段も出たままになることがあります。便が漏れる、便秘、残便感、出血や粘液の漏れを伴う場合もあります。直腸が腟の壁を押す『直腸瘤』や、肛門から出る痔核とは異なります。突出した部分が戻らない、多量の出血がある場合は、血流障害などの可能性があるため急いで医療機関を受診してください。
原因
原因は一つではなく、骨盤底や肛門を支える組織の弱さ、便秘や長いいきみ、下痢、神経・筋肉の病気などが関係します。温水洗浄便座の使用だけで直腸脱の原因と決める根拠は確認できません。診察では肛門の膨らみを見て、必要ならいきんだ状態を確認します。痔核などとの区別や、便の漏れ・出にくさを調べるために、排便時の画像検査や内視鏡などを検討する場合があります。
治療法
便秘・下痢や強いいきみを減らす対応は症状を和らげ、再発予防にも役立ちます。ただし成人の完全な直腸脱を生活調整だけで元に戻すことは難しく、手術を検討することが多いです。手術には腹部から直腸を固定する方法と肛門側から治す方法があり、年齢、持病、便通、再発の可能性を踏まえて選びます。小児では便秘・下痢など背景の治療から始め、改善しなければ専門医が追加治療を検討します。
戻らない脱出・多量の出血
突出した直腸が戻らない、強く出血する場合は緊急に医療機関へ相談してください。
直腸瘤や痔核との違い
膨らみが肛門と腟のどちらから出るか、排便時だけか、出血や便漏れがあるかを伝えてください。
いきみを減らす
便秘や下痢を放置せず、排便習慣の調整を相談しましょう。生活調整だけで成人の完全直腸脱を治す方法ではありません。
手術方法は状態に合わせる
腹部から固定する方法と肛門側から治す方法の利点、合併症、再発を担当医と比較してください。