概要
肺動脈狭窄症は、右心室から肺へ向かう血液の通り道が狭い先天性心疾患です。このページでは特に肺動脈弁が狭い「肺動脈弁狭窄症」を中心に説明します。軽い場合は無症状で心雑音から見つかることがあります。狭窄が強いと疲れやすさ、息切れ、胸痛、失神などが起こり、重症の新生児では唇の色が悪い、哺乳しにくいなどの徴候が出ます。新生児のチアノーゼや呼吸困難は直ちに医療機関で評価を受けてください。
原因
肺動脈弁の形成異常や弁尖の癒合で弁が十分に開かないと、右心室は高い圧で血液を送り出す必要があります。「右心室の圧が高くなったため肺動脈が狭くなる」のではありません。狭い場所は弁の下、弁、弁の上、肺動脈の枝などさまざまで、別の先天性心疾患を伴う場合もあります。心臓超音波検査とドプラ法で狭窄の位置・程度、右心室への負担、合併病変を確認します。
治療法
軽症なら小児循環器科で経過観察します。弁狭窄が中等症から重症で右心室の圧が高い場合には、症状がなくても治療を検討します。典型的な肺動脈弁狭窄ではカテーテルによるバルーン弁形成術が主な選択肢です。弁の形や狭窄部位によっては手術が必要です。重症の新生児では肺血流を保つための緊急治療が必要なことがあり、「生後3か月まで待つ」と一律には決められません。治療後も再狭窄や肺動脈弁逆流を確認するため定期的に診察を受けます。
新生児の色・呼吸の異常は緊急評価
唇の色が悪い、呼吸が苦しそう、哺乳できない場合はすぐ医療機関へ。重症例の治療時期は待機を前提にしません。
狭くなった場所を確認する
肺動脈弁、弁の下、弁の上、枝などで治療法が違います。心エコーで位置と右心室への負担を尋ねます。
典型的な弁狭窄はバルーン治療が中心
治療の必要性は症状だけでなく右心室圧も踏まえて判断し、弁の形によっては手術を選びます。
治療後も弁の漏れと再狭窄を確認
バルーン後に肺動脈弁逆流が起きることがあります。小児期から成人期まで診察計画を確認します。