呼吸・飲み込みの急な悪化を優先
息が十分にできない、飲み込みが急に悪くなったなどの場合は、速やかな救急受診が必要です。強い呼吸困難があれば119番を利用してください。休めば良くなるかどうかを待って判断しないでください。
概要
重症筋無力症は、神経から筋肉へ命令を伝える部分に自己免疫の異常が起こり、筋力が低下する病気です。まぶたが下がる、物が二重に見える、手足や首が疲れやすい、話しにくい、飲み込みにくいなどの症状が現れます。症状は動作の繰り返しや時間帯によって変動します。呼吸筋が弱り息苦しくなる場合は緊急の治療が必要です。指定難病の対象です。
原因
神経筋接合部で働くアセチルコリン受容体(AChR)やMuSKなどに対する自己抗体が、神経から筋肉への信号伝達を妨げます。抗体の種類や胸腺腫の有無などは人によって異なり、同じ治療が全員に適するわけではありません。
治療法
症状や抗体の種類、胸腺腫の有無などを評価し、コリンエステラーゼ阻害薬、ステロイド薬を含む免疫治療などを組み合わせます。症状が急に悪化した場合には免疫グロブリン療法や血液浄化療法などを検討し、呼吸障害には集中治療が必要になることがあります。胸腺腫がある場合は摘除を検討します。胸腺腫のない全身型でもAChR抗体陽性なら胸腺摘除が選択肢となりますが、全員に必要な手術ではありません。難治例には新しい薬の選択肢もあり、専門医が病状に応じて判断します。
受診時には時間帯も伝える
まぶたが下がる、物が二重に見える、話しにくい、首や手足に力が入らないなど、症状が出る場面と時間帯、休んだときの変化を伝えてください。日内変動は手がかりですが、それだけで診断はできません。別の診療科で薬を処方されるときも、重症筋無力症であることを伝えます。
胸腺の手術は全員に同じではありません
胸腺腫がある場合と、胸腺腫がない場合では、手術を考える理由が異なります。胸腺腫がなくてもAChR抗体陽性の全身型などでは検討しますが、MuSK抗体陽性などを一律に同じ対象にはできません。抗体、胸腺の検査、病型と体調を踏まえて担当医と相談します。