概要
続発性貧血(二次性貧血)は、感染症、炎症性の病気、腎臓病、がんなど、ほかの病気に伴って生じる貧血を指します。ひとつの原因に決まる病名ではありません。疲れやすさ、動悸、息切れ、めまい、顔色の悪さなどが出ますが、ゆっくり進むと気づきにくいこともあります。
持病があっても、それだけで貧血の原因が確定するわけではありません。出血や栄養素の不足などが重なる場合もあり、採血と病状の確認で原因を整理してから治療を決めます。
原因
慢性の炎症では、体内に鉄があっても赤血球をつくるために使いにくくなり、造血を促すホルモンの働きや赤血球の寿命も影響を受けます。腎臓病では、赤血球をつくるよう骨髄に伝えるエリスロポエチンが少なくなることが主な原因のひとつです。
炎症性腸疾患では出血による鉄不足と炎症による貧血が、がんでは出血・炎症・治療の影響などが重なることがあります。『血清鉄が低い』という結果だけで、すべてを鉄欠乏性貧血と判断することはできません。
治療法
原因となる病気の治療を行いながら、貧血の程度と、鉄・ビタミンなどの状態に応じた治療を検討します。鉄不足があれば補充を考えますが、鉄が不足していない人に鉄剤を増やせば治るとは限りません。
腎臓病に伴う貧血では、必要に応じて赤血球の産生を促す薬などを使います。重い貧血では輸血を検討する場合もあります。方法は症状、採血結果、持病、治療の利益とリスクを合わせて決め、全員に同じ治療を行うわけではありません。
急な悪化は持病のせいと決めつけない
急な呼吸困難、強い胸痛、意識がもうろうとする、支えなしで立てないほどの急なふらつきは119番へ。血を吐く、血便や真っ黒い便が出る場合も、出血の確認が必要です。通院中でも、新たな出血や急な体調変化は次の予約まで待たず相談してください。
貧血の原因を分ける検査
ヘモグロビン、赤血球の大きさ、網赤血球、フェリチンなどを調べ、炎症や腎機能、持病の状態と合わせて評価します。炎症があると、鉄不足を合併していてもフェリチンが下がりにくい場合があります。ひとつの数値だけで結論を出さず、過去の採血結果も比較します。
診察で伝えること
持病と治療の一覧、健診や採血の結果、いつから疲れや息切れが増えたかを持参しましょう。月経量、便や尿の変化、食事量、最近変更した薬も伝えてください。原因が分からない、または治療しても改善しない場合には、追加検査や血液内科への相談を検討します。
治療後も検査を続ける理由
持病の治療で炎症が改善すると、鉄の使われ方も変わります。貧血と鉄の状態を再確認し、治療を続けるか調整します。『今回考えられる原因』『薬で何を改善するか』『次の採血日と目標』を聞いておくと、体調の変化を相談しやすくなります。
持病に合った食事を相談する
鉄やビタミンが多い食品を増やすだけで解決しない貧血もあります。腎臓病などでは、貧血対策として選んだ食品が食事制限と合わないこともあります。サプリメントを始める前に、医師や管理栄養士へ現在の食事と持病を伝え、続けられる方法を相談しましょう。