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胃切除後症候群(胃切除後障害)

最終改定日:

概要

胃切除後症候群は、胃を切除・再建したあとに起こる食事や栄養、体調の問題の総称です。胃が小さくなる、またはなくなることで、少量で満腹になる、食後の腹痛・下痢・動悸や冷や汗、胸やけ、体重減少などが起こります。食後すぐの不調と食後2~3時間の不調では仕組みと対応が異なります。鉄・ビタミンB12不足による貧血や骨が弱くなる問題は、手術から年数がたって見つかることもあります。すべてを「術後だから仕方ない」と決めず、手術を受けた病院へ症状を伝えてください。

原因

胃の食べ物をためて少しずつ腸へ送る働きが減ると、少量で満腹になり、食べ物が急に小腸へ入ると早期ダンピング症候群が起こります。食後しばらくして糖質の急速な吸収に続き血糖が下がると、後期ダンピング症候群の冷や汗、ふるえ、脱力などが出ます。胃酸や内因子が減ることで鉄やビタミンB12が不足しやすくなります。逆流や下痢、骨粗しょう症なども起こり得ます。症状の出方は切除範囲・再建方法・時間経過によって違います。

治療法

食事は一度に多くとらず、回数を分け、よくかんでゆっくり食べることを基本にします。食後2~3時間の冷や汗・ふるえがある場合は、糖質を一度に大量にとらないようにし、低血糖が疑われる症状が起きたときの糖分補給を主治医と確認します。体重、食べられる量、症状と食後の時間を記録して外科・栄養士に相談してください。血液検査で貧血や鉄・ビタミンB12の不足を調べ、必要なら補充します。骨の健康や原疾患の経過観察も続けます。強い腹痛、繰り返す嘔吐、食べ飲みできない状態は別の術後合併症も考えるため、食事の工夫だけで済ませず早急に手術先へ連絡してください。

食後すぐか、2~3時間後かを記録

食後早い時間の動悸・めまい・腹痛・下痢と、食後2~3時間の冷や汗・ふるえ・脱力では、早期/後期ダンピング症候群など考える仕組みが違います。症状が出た時間、食べた量・内容を記録して相談します。

少量ずつ、回数を分けてゆっくり食べる

一回量を減らし、回数を増やして、よくかみながらゆっくり食べます。食べ物を水分で流し込むことを避け、体重減少や栄養不足が心配なら、自己流の制限を強めず栄養士に相談します。

食後遅い冷や汗・ふるえは低血糖に注意

食後2~3時間で冷や汗、ふるえ、脱力などが出た場合は後期ダンピングによる低血糖の可能性があります。症状が出たときの糖分補給と、その後の診察・再発予防を主治医に確認してください。失神や意識の異常があれば救急対応が必要です。

貧血と骨の問題は数年後にも確認

胃全摘後はビタミンB12欠乏が数年後に出ることがあり、鉄欠乏性貧血や骨粗しょう症にも注意が必要です。体調だけで判断せず、予定された血液検査・通院を続け、補充の要否を医師に確認します。

強い腹痛・嘔吐を術後の食べ過ぎと決めない

強い腹痛、繰り返す嘔吐、食べたり飲んだりできない状態、急な悪化があれば手術先へ速やかに連絡してください。ダンピングだけでなく腸閉塞など別の原因の評価が必要なことがあります。

がんの術後なら原疾患の定期通院も継続

胃がんの手術後は、栄養・体重・貧血に加えて再発の有無などの確認が必要です。通院間隔は病期と治療で異なるため、主治医の計画に沿って受診し、症状の変化を伝えてください。

参考資料

  1. 胃がん 療養(2026年1月更新)国立がん研究センター がん情報サービス
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