概要
起立性低血圧症は、横になった状態や座った状態から立つと血圧が下がり、めまい、ふらつき、目のかすみ、失神などが起こる状態です。転倒やけがにつながることがあります。普段の血圧が低くない人にも起こるため、立った際の症状と血圧の変化を確認します。
原因
立った際に下半身へ移動する血液に対して、血圧を保つ調節が十分に働かないことなどで起こります。脱水、降圧薬などの薬、心臓の病気、糖尿病やパーキンソン病などによる神経の障害が関わる場合があります。すべてが心理的な要因によるものではありません。
治療法
原因の病気や薬を評価し、必要な治療・調整を行います。ゆっくり立つ、症状が出たら座る、脱水を避けるなどの対策を医療者と相談します。弾性ストッキングなどや、血圧を上げる薬を使う場合もあります。薬によって横になった際の血圧が高くなることもあり、症状と血圧を確認しながら調整します。
立ちくらみだけで診断せず、姿勢と血圧を確認
診療では、横になった状態や立った後の血圧・脈拍を測り、症状との関係を確認します。原因を調べる採血や心電図、必要に応じたティルト試験などを行う場合もあります。失神を繰り返す人が一人で立ち上がりの検査を試すのは避け、医療機関で安全に評価を受けてください。
朝・入浴・食後など、起こる場面を記録
朝、暑い環境、長く同じ姿勢で過ごした後、食事の後などに症状が出ることがあります。症状の前後の姿勢や食事、薬、血圧・脈拍を記録し、担当医と対策を決めます。急に立ったり、ふらついたまま歩いたりせず、座って症状が落ち着いてからゆっくり動くようにしてください。
水分・塩分・薬は、既存の治療と合わせて調整
脱水を避ける工夫は大切ですが、水分や塩分を一律に増やすものではありません。すでに量を指示されている場合は、変更前に担当医へ相談してください。血圧を下げる薬が関係することもありますが、高血圧の治療が必要な人もいるため、処方薬を自己判断で中止せず、症状と記録を伝えて調整します。
失神後の意識・呼吸・胸痛に注意
失神した後、反応が戻らない、呼吸がおかしい、胸が痛い、うまく話せない・手足を動かせないなどの場合は119番へ連絡します。低血圧による失神と決めつけないでください。回復しても失神した場合は診療で原因を確認し、再び倒れそうなときは座る・横になるなどして転倒を避けます。