感染症とともに意識・呼吸がおかしいとき
感染症や傷の悪化に加えて、呼びかけへの反応が悪い、急に混乱する、強い息苦しさがある、立てないほどぐったりする場合は119番へ連絡してください。入院中なら、すぐに看護師などへ知らせます。 尿が明らかに減る、強い悪寒、発熱または低体温など、普段と違う悪化があれば速やかに医療機関へ相談してください。子どもでは起こしにくい、呼吸が速い、顔色が悪い、けいれんなどにも注意します。家庭で点数を計算して診断を確定させる必要はありません。
概要
敗血症は、感染症に対する体の反応が適切に調節されず、臓器の働きが損なわれる、命に関わる状態です。『細菌が血液に入ったこと』だけを意味する菌血症とは異なり、血液培養で病原体が見つからなくても起こります。
発熱や悪寒のほか、体温が低い、呼吸が速い、反応や会話が普段と違う、尿が少ないなどの変化がみられます。症状の組み合わせには個人差があり、高熱がないことだけでは否定できません。血圧が大きく下がり、循環を支える治療が必要になる敗血症性ショックに進むこともあります。早く気づいて治療を開始することが重要です。
原因
肺炎、尿路感染症、腹部の感染症、皮膚や傷の感染症などがきっかけになります。細菌だけでなく、ウイルスや真菌などの感染でも起こり得ます。
誰にでも起こる可能性がありますが、乳幼児、高齢者、妊娠中・出産後の人、免疫を抑える治療を受けている人、慢性疾患のある人などでは特に注意が必要です。重症化の程度は感染の種類、臓器障害、治療の開始時期などによって異なります。
治療法
感染症の原因と臓器の状態を調べながら、必要な治療を速やかに開始します。細菌感染が疑われる場合は抗菌薬を用い、検査結果や経過に応じて薬を調整します。膿を排出する処置など、感染源そのものへの対応が必要な場合もあります。
血圧や循環の状態に応じて輸液や血管収縮薬を使い、呼吸や腎臓などの働きを支える治療を組み合わせます。状態により集中治療室で管理します。必要な処置や薬は一人ひとり異なります。
検査結果を待ちながら治療することもある
血圧・呼吸・意識・尿量などを評価し、血液検査で臓器の障害や循環状態を調べます。血液や感染が疑われる部位の培養、画像検査などで原因を探します。培養は病原体を育てて調べる検査で、結果が出るまで時間がかかります。 治療を結果が出るまで保留するわけではありません。また、炎症の数値一つや培養結果だけで、敗血症かどうかを決めるものでもありません。
家族が医療チームに確認したいこと
『感染が疑われる場所はどこか』『どの臓器に影響があるか』『今日の治療の目的と次の評価は何か』『培養結果で治療が変わる見込みはあるか』を確認すると、経過を理解しやすくなります。本人の普段の状態、薬のアレルギー、最近の治療や手術、本人が大切にしていることも伝えましょう。
退院後の回復にも支援が必要
重い感染症や集中治療の後は、筋力、記憶や集中力、気持ちの面で回復に時間がかかることがあります。症状が残る場合は、退院後の診察で具体的に伝え、リハビリや生活支援の必要性を相談してください。 退院前に、次の受診先、薬、活動の再開方法、悪化時の連絡先を確認しましょう。家族の不安や疲労についても医療チームへ相談できます。