概要
混合性結合組織病(MCTD)は、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、筋炎に似た症状が、同時にまたは経過とともに重なって現れる自己免疫疾患です。寒さや緊張で指が白くなるレイノー現象、手指の腫れ、関節痛がよく見られます。筋力低下、胸やけ、乾いた咳や息切れなどが加わることもあります。『3つの病気を必ず同時に発症する』という意味ではありません。手指の変化が続く場合はリウマチ・膠原病内科に相談し、新しい息切れ、胸痛、失神や急速な呼吸の悪化があれば速やかに受診してください。
原因
発症の詳しい仕組みは分かっていません。血液で抗U1-RNP抗体が認められることが特徴ですが、抗体だけで診断せず、レイノー現象、手指腫脹、関節・筋肉・皮膚の症状や臓器の状態を合わせて判断します。重要な合併症には肺動脈性肺高血圧症と間質性肺疾患があります。前者は心臓から肺への血管の圧力が上がる病気で、後者は肺の組織に炎症や線維化が起こる病気です。動いたときの息切れ、動悸、乾いた咳などを医師に伝え、診断後は症状がなくても心エコーで肺高血圧症を定期的に確認します。必要に応じて肺の画像・呼吸機能や尿検査も行います。
治療法
治療は一律の大量ステロイドではなく、最も重要な臓器障害と症状に合わせて選びます。レイノー現象には保温と禁煙を基本に、必要なら血管を広げる薬を検討します。関節炎や筋炎、胸膜炎などでは病状に応じてステロイドや免疫抑制薬を使います。肺動脈性肺高血圧症には専門医のもとで肺血管拡張薬などを用い、間質性肺疾患は進み方に応じて治療を調整します。症状が落ち着いていても心臓・肺・腎臓の経過観察を続け、薬の変更は主治医と相談してください。
レイノー現象・手指の腫れを伝える
寒さで指が白くなる、指輪が入りにくくなるといった変化が初期の手がかりになります。
抗U1-RNP抗体だけで決めない
抗体と症状、筋肉・皮膚・臓器の所見を合わせて診断します。
息切れ・動悸・乾いた咳を見逃さない
肺高血圧症と間質性肺疾患は別の合併症で、息切れなどがあれば早めに相談します。
症状がなくても心エコーを続ける
診断後は肺高血圧症を早く見つけるため、定期的な心エコーを主治医と相談します。