概要
コレラは、毒素をつくる特定のコレラ菌による感染症です。下痢や嘔吐が起こりますが、軽い軟便で済む場合もあります。重症になると大量の水のような下痢で短時間に脱水が進み、尿が少なくなる、ぐったりするなど危険な状態になり得ます。「米のとぎ汁」のような便や発熱しないことは診断の必須条件ではありません。
原因
患者や菌を保有する人の便で汚染された水・食品を口にすると感染します。流行地域への渡航や飲食歴は診療に役立ちますが、渡航歴の有無だけで決めません。安全な飲み水、食品の衛生、石けんによる手洗いが予防の基本です。コレラ菌の中でも毒素をつくるO1またはO139による感染かを検査で確認します。
治療法
最も重要なのは失った水分と電解質を早く補うことです。飲める場合は経口補水液を使い、強い脱水や飲めない場合は医療機関で点滴などを受けます。重い症状などでは抗菌薬も検討しますが、種類・量を全員に固定しません。便からの菌の確認が診断に用いられます。コレラは感染症法の三類感染症であり、確定時の届出や就業上の対応は医師・保健所と確認します。
大量の水様便・脱水は急いで受診
大量の水様便や繰り返す嘔吐があり、尿が少ない、ぐったりしている、飲めない場合は急いで医療機関へ相談します。意識がはっきりしない、動けないほど弱っている場合は救急受診を考えます。下痢の原因が確定する前でも、脱水への対応を待たないことが重要です。
治療の中心は水分と電解質の補給
飲める場合は経口補水液で水分と電解質を補います。飲めない、失う量が多い、重い脱水がある場合は点滴が必要です。特定の輸液名や一日の量を自己判断の目安にせず、診療側が症状や脱水の程度をみて調整します。
便と脱水の状態を調べる
便の検査で原因菌を確認し、必要に応じて毒素の性質まで調べます。同時に下痢の回数、尿の量、血圧や全身状態を確認し、重い場合は電解質や腎機能も評価します。渡航地・時期、現地での飲食や同行者の症状を伝えましょう。
抗菌薬だけでは脱水を治せない
抗菌薬を使う場合でも、先に補水が必要です。重症度や菌の薬剤耐性などを踏まえ、薬を追加するか医師が判断します。自己判断でテトラサイクリン・ニューキノロン系を飲まず、処方と補水・経過観察の計画を確認してください。
飲み水・食品・手洗いを確認
流行地域では安全な飲料水を選び、加熱が不十分な食品や生の魚介類などに注意します。トイレ後、調理や食事の前は石けんで手を洗い、下痢中は他人の食事を作らないようにします。感染した人の便が水や食品に広がらない環境づくりが大切です。
国内では三類感染症
コレラは感染症法上の三類感染症です。確定した場合、医師が保健所への届出と菌の消失確認などを進めます。食品を扱う仕事や保育等への復帰の相談も、担当医と保健所の指示を確認してください。