概要
細菌性赤痢は、赤痢菌が起こす腸の感染症です。発熱、腹痛、下痢が主な症状で、水のような便から、血液や粘液の混じる便、便意が続く「しぶり腹」まで幅があります。必ず40度近い高熱や血便になるわけではなく、軽い下痢や症状がない場合もあります。症状だけでは別の感染性腸炎と区別できません。
原因
赤痢菌を含む便が手指や食品・水などを介して口に入ることで感染します。海外渡航後の発症が多い一方、国内の食品や家庭・保育施設などで人から人へ広がることもあります。感染者本人が軽症でも便から菌が広がることがあるため、手洗いなどの対策が必要です。アメーバ赤痢は別の病原体による病気です。
治療法
下痢による脱水を避けるため、飲める範囲で水分と電解質を補います。診断には便を採って菌を調べる検査が用いられ、抗菌薬が必要な場合は重症度や菌の感受性などを踏まえて医師が選びます。血便があるときは腸の動きを抑える市販の止瀉薬を自己判断で使わず、受診してください。感染症法では三類感染症で、確定時の届出や就業上の対応は医師・保健所の案内に従います。
血便や強い腹痛、脱水のとき
血便、強い腹痛、発熱を伴う下痢、下痢が続く場合は医療機関へ相談します。尿が少ない、ぐったりしている、飲み物を保てない場合も早めに受診してください。小児や高齢者、持病がある人は脱水に注意が必要です。便の色だけで赤痢と決めつけず、検査を受けます。
便の検査と治療を結び付ける
診断には便の培養などで赤痢菌を確認します。抗菌薬が必要なときは、耐性菌の可能性があるため薬の効きやすさを調べることがあります。薬を始めた後も症状が改善しないときは処方元に連絡し、自己判断で別の抗菌薬へ替えないでください。
下痢の間は水分を補う
少しずつ飲めるなら水分と電解質を補い、尿量や元気さを観察します。飲めない、下痢が多い、ぐったりしているときは医療機関で脱水の評価と補液を相談します。血便がある場合はロペラミドなど腸の動きを止める薬を自己判断で使わないでください。
抗菌薬は必要性と感受性で判断
軽い感染では水分補給と経過観察が中心になることもあります。一方、重い症状などでは抗菌薬が検討されます。赤痢菌には薬が効きにくい例もあるため、培養・感受性や治療反応を確認します。薬の種類と服用期間、改善しない場合の連絡先を担当医に聞きましょう。
家庭内で便からの感染を防ぐ
トイレやおむつ交換の後、調理や食事の前には石けんと流水で手を洗います。下痢がある間は人の食事を作ることを避け、便で汚れた場所を清潔にします。渡航歴がなくても感染は起こり得ます。食品を扱う仕事や保育などの復帰は医師・保健所に確認してください。
「三類感染症」の連絡は医療機関と相談
細菌性赤痢は感染症法上の三類感染症です。確定診断後の届出、菌の消失確認、仕事や学校に関する案内は医師と保健所が行います。自己判断で一律の隔離期間を決めるのではなく、仕事内容や地域の指示に合わせて確認してください。