急に力が入らない・息苦しいとき
数日で歩けなくなる、手足の力が急に落ちる、飲み込みにくい、息苦しい場合は救急受診してください。急性の免疫性ニューロパチーでは呼吸に関わる筋肉も障害されることがあります。
概要
多発ニューロパチーは、手足などの複数の末梢神経に障害が生じる状態の総称です。しびれ、ピリピリする痛み、感覚が鈍い、足のふらつき、筋力低下など、障害される神経によって症状が違います。数日で進むものも、数か月以上かけて進むものもあります。急に足の力が落ちて歩けない、飲み込みにくい、息苦しいなどの場合は、ギラン・バレー症候群などを含む緊急の評価が必要です。
原因
原因には糖尿病、ビタミン欠乏、飲酒、薬剤、腎臓の病気、自己免疫疾患、遺伝性の病気などがあります。原因を特定できない場合もありますが、すべて「詳細不明」ではありません。診察では、症状が始まった時期と進み方、しびれと筋力低下の分布、持病や薬、家族歴を確認します。必要に応じて血液検査や神経伝導検査などを行い、治療できる原因や急を要する病型を探します。
治療法
治療は原因と病型によって異なります。糖尿病なら血糖管理、栄養欠乏なら不足している栄養素の補充、原因となる薬剤が疑われれば医師と変更を検討するなど、原因への対応が基本です。痛みや転倒しやすさへの対処、リハビリテーションも検討します。ギラン・バレー症候群では入院下で免疫グロブリンの点滴または血漿浄化療法が用いられますが、これを多発ニューロパチー全般の治療とは言えません。慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーなどは別の治療・経過観察が必要です。「免疫グロブリンを大量服用する」という旧説明は点滴と混同しています。
進み方を記録して受診する
いつから、どの部位にしびれや痛みが出たか、筋力低下や歩きにくさがあるかを伝えます。数日単位か数か月単位かで検討する病型が変わります。
原因を調べる検査
血糖や栄養状態などの血液検査、神経伝導検査を必要に応じて組み合わせます。原因が分かれば治療につながることがあるため、薬や飲酒、家族歴も伝えます。
免疫治療が必要な人は一部
ギラン・バレー症候群の免疫グロブリンは点滴です。糖尿病性や栄養欠乏性などすべての多発神経障害に行う治療ではありません。病型名と治療の目的を確認してください。
ふらつきと痛みも相談
足先の感覚が鈍い、歩くとふらつく、痛みで生活しづらい場合は、診療時に伝えてください。原因への治療に加えて症状への対処も相談できます。