病気診断.net病名・症状から調べる病気の辞典

進行性多巣性白質脳症

最終改定日:

概要

進行性多巣性白質脳症(PML)は、免疫の働きが弱くなったときにJCウイルスが脳で増え、神経を保護する髄鞘が障害される病気です。片側の手足の力が落ちる、視野や見え方が変わる、言葉が出にくい、考えたり歩いたりしにくいなど、病変の場所によって症状が違います。数週間から数か月で進むことがあり、免疫抑制治療中などに新しい神経症状が出たら速やかに主治医へ連絡してください。

原因

JCウイルスは多くの人に無症状で存在します。PMLはその感染だけで必ず起こるわけではなく、HIV感染、血液のがん、移植後の治療、一部の免疫抑制薬・多発性硬化症の治療薬などに伴う免疫低下が背景となります。診断では症状と頭部MRIを確認し、必要に応じて脳脊髄液のJCウイルスDNAを調べます。検査が陰性でも疑いが強ければ専門医が再評価します。

治療法

JCウイルスを直接除去できる、効果が確立した特異的な抗ウイルス薬はありません。治療の中心は原因に応じて免疫機能の回復を図ることで、HIVに伴う場合は抗HIV療法を行い、免疫を抑える薬が関係する場合は担当チームが中止・変更などを判断します。薬を自己判断で止めると原疾患が悪化することがあるため、直ちに主治医へ相談してください。経過をMRIと神経症状で追い、残る障害への支援も検討します。

新しい神経症状は速やかに連絡

免疫を抑える治療中やHIVなどの背景があり、新たな手足の脱力、見え方の変化、言葉が出にくい、歩きにくいなどがあれば、予定日を待たず主治医へ連絡します。急な重い症状では救急受診してください。

JCウイルス陽性だけでPMLとは限らない

JCウイルスに感染していても多くの人はPMLを発症しません。免疫の状態、新しい症状、画像などを合わせて評価します。

MRIと脳脊髄液の検査

医師は頭部MRIで病変を調べ、必要に応じて脳脊髄液のJCウイルスDNAを検査します。陰性でも疑いを完全には除けないため、経過と追加評価が必要な場合があります。

治療は免疫機能の回復が中心

PMLに確立した特異的な抗ウイルス薬はありません。HIV治療や免疫抑制薬の見直しなど、原因に応じた対応を専門チームが決めます。薬は自己判断で止めず、すぐ相談してください。

変化を記録して継続評価

症状がいつからどう変わったか、服用・投与中の薬を伝えます。治療後も神経症状やMRIで経過を確認し、歩行や言語などの障害への支援を相談します。

参考資料

  1. 進行性多巣性白質脳症(PML)(指定難病25)、2023年11月更新難病情報センター
  2. 進行性多巣性白質脳症(PML)FAQ、2023年11月更新難病情報センター
ページの先頭へ