まひや排尿障害は救急で対応
背中の痛みに加え、歩けないほど力が落ちる、脚のしびれが広がる、尿が出ない・尿便を漏らす場合は救急受診してください。神経の圧迫が進むと回復しにくい障害が残るおそれがあります。
概要
脊髄硬膜外膿瘍は、脊髄を包む硬膜の外側に感染による膿がたまり、神経を圧迫することがある病気です。背中や首の強い痛みから始まり、足のしびれや力の入りにくさ、排尿・排便の異常が出る場合があります。発熱、背中の痛み、まひが最初からそろうとは限りません。新たな強い背部痛に発熱や感染症の既往がある場合は速やかに受診し、歩けない、手足の力が急に落ちる、尿が出ないなどの変化があれば救急受診してください。
原因
血流に乗った細菌、近くの脊椎・椎間板の感染、手術や処置に伴う感染などが原因になります。糖尿病や免疫が弱くなる状態、最近の菌血症や脊椎の処置などは診察時に重要です。すべてが「体のあらゆる部位の感染」から起きるわけではありません。医療機関では神経症状を診察し、血液培養と炎症反応、脊椎のMRIなどで感染の場所と原因菌を調べます。
治療法
入院して原因菌を調べ、抗菌薬の点滴を行います。神経への圧迫でまひや排尿・排便障害がある場合は、緊急に手術で圧迫を取り除き、膿を排出することが重要です。神経症状がないなど限られた場合は、専門チームが抗菌薬中心の治療と厳重な観察を選ぶこともあります。治療中も痛み、発熱、筋力、感覚、排尿・排便の変化を伝え、悪化した場合は直ちに再評価を受けます。
発熱がなくても否定できない
初期には背中の痛みだけの人もいます。最近の感染症、脊椎手術・処置、糖尿病などを医師に伝え、症状が進んでいることも説明してください。
MRIと培養で調べる
疑われる場合はMRIで感染の場所と神経の圧迫を調べます。血液培養などで原因菌を探し、抗菌薬の選択につなげます。
抗菌薬と手術を病状で組み合わせる
抗菌薬の点滴が治療の柱です。まひや排尿・排便障害があれば緊急の手術を検討します。神経症状がない場合でも厳重な観察が必要で、自己判断で内服のみを続ける病気ではありません。
悪化をすぐに伝える
治療中に痛み、筋力、感覚、排尿・排便に新たな変化があれば、予定の診察を待たず医療チームに伝えてください。治療が十分かどうかを再評価します。