手足や言葉の異常があれば救急へ
顔の片側が急に下がり、手足の脱力やろれつが回らない・言葉が出ないなどがあれば、脳卒中を疑って救急受診してください。顔だけの麻痺と決めつけません。
概要
顔面神経麻痺は、顔の片側の表情筋が動きにくくなり、眉を上げにくい、まぶたを閉じられない、口から水が漏れるなどが起こる状態です。味覚の変化や耳の痛みを伴うこともあります。突然顔が下がった場合、手足の力が入らない・言葉が出にくいなどもあれば脳卒中の可能性があるため救急受診してください。顔だけの症状でも原因の確認と早期治療が重要なので、速やかに耳鼻咽喉科などを受診します。
原因
最も多い末梢性の原因はベル麻痺ですが、顔面神経麻痺すべてがベル麻痺ではありません。ベル麻痺の詳しい発症機序は確定しておらず、単純ヘルペスウイルスの関与が考えられています。水痘・帯状疱疹ウイルスによるラムゼイ・ハント症候群では耳の痛み、水疱、聞こえの変化やめまいが手がかりになります。外傷、中耳炎、腫瘍、脳卒中などでも顔の動きが悪くなります。診察では発症時刻、耳・目・手足や言葉の症状を伝え、必要な検査を選びます。
治療法
ベル麻痺では発症早期、特に72時間以内に開始する経口ステロイドが回復を助けます。抗ウイルス薬は医師がステロイドへの追加を検討する場合がありますが、ベル麻痺に抗ウイルス薬だけを使う治療は勧められません。ハント症候群、外傷、腫瘍などでは原因に応じて対応が異なります。まぶたが閉じない場合は角膜を乾燥・傷から守るため、点眼や夜間の保護を医療者と相談してください。回復が乏しい、新しい症状が出る場合は再評価を受けます。
顔だけでも速やかに受診
ベル麻痺のステロイド治療は早く始めるほど有利で、72時間以内が目安です。発症した時刻、耳の痛みや水疱、味覚・聞こえの変化を伝え、耳鼻咽喉科などで原因を確認します。
閉じられない目を守る
まぶたが閉じられないと角膜が乾燥・損傷しやすくなります。点眼・軟膏や夜間の保護について受診時にすぐ相談してください。痛みや視力の変化も伝えます。
ベル麻痺以外もある
耳の水疱や強い耳痛、難聴・めまいがあればハント症候群などを考えます。外傷後や徐々に悪くなる麻痺なども別の評価が必要です。
薬は病型で選ぶ
ベル麻痺ではステロイドが基本で、抗ウイルス薬を追加するかは医師が判断します。抗ウイルス薬単独を標準治療とせず、持病や薬の副作用も相談します。