概要
尿細管性アシドーシス(RTA)は、腎臓の尿細管による酸とアルカリの調節がうまく働かず、血液が酸性に傾く病態です。主に1型(遠位型)、2型(近位型)、4型(高カリウム型)に分けます。1・2型ではカリウム低下、4型ではカリウム上昇が問題となり、対応も異なります。筋力低下や骨の異常、小児の成長の問題などを伴いますが、症状の出方には差があります。
原因
1型は酸を尿へ排泄する働き、2型は重炭酸を体内へ戻す働きの障害が中心です。2型はファンコニー症候群に伴う場合もあります。4型はアルドステロンというホルモンの不足や作用の低下などに関係します。遺伝性の病気、自己免疫疾患、糖尿病に関連する腎障害、薬など、病型ごとに原因を調べます。尿が酸性かどうか一つだけで診断するものではありません。
治療法
病型と原因に応じて、酸とアルカリ、カリウムなどの異常を補正します。1・2型ではアルカリを補い、必要に応じて不足する成分にも対応します。4型では高カリウム血症への治療が重要で、「軽い病型だから心配ない」とは言えません。原因の病気の治療や薬の調整も行います。治療中も血液・尿や腎機能を確認し、薬の量や内容を見直します。
まず病型とカリウムの状態を確認
カリウムが低い状態への補充と、高い状態を下げる治療は異なります。「何型か」「カリウムは高いのか低いのか」「その結果で治療がどう変わるか」を確認してください。同じ病名でも、他の人の薬・食事制限をそのまま使わないようにします。
血液・尿の検査で他の原因も確認
血液の酸性度、重炭酸や電解質と尿の所見を合わせ、原因や病型を調べます。結石や腎石灰化を疑うときには画像、遺伝性を疑うときには専門的な検査を検討します。全員に同じ検査を行うわけではありません。次の検査が診断・治療のどの判断に必要なのかを聞きましょう。
補充するものと、再検査の計画を分けて聞く
アルカリ、カリウム、リンなど、必要な補充は検査で決めます。開始後も、不足が改善したか、補いすぎていないかを確認します。飲みにくさや飲み忘れがある場合は担当者に相談し、量や回数を自己判断で変えないでください。
薬の影響は、処方した医師とも相談
原因として薬を調べる場合があります。市販薬・サプリメントも含む一覧を持参し、使い始めた時期を伝えてください。薬の利益と影響を踏まえて変更を判断するため、疑わしい薬を自分で急に中止しません。アルカリ食品や健康食品で処方治療を置き換えることも避けます。
成長・骨・結石なども継続して確認
腎機能と電解質だけでなく、小児では身長や体重、必要に応じて骨や腎石灰化・結石、病型によっては聴力も確認します。症状が改善しても、治療を続ける必要がある場合があります。確認する項目と再診の間隔、専門の診療科との連携を聞いておきましょう。
急な強い筋力低下・意識や呼吸の異常は急いで受診
電解質の異常は、筋肉や心臓の働きに影響します。急に力が入らない、動悸が強い、ふらつくなどの変化は早急に医療機関へ相談・受診してください。倒れる、意識がおかしい、強い息苦しさや急な胸痛は119番です。カリウムが高い場合も低い場合も、自己流の補充や制限で対応しません。