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パニック症(パニック障害)

最終改定日:

概要

パニック症(旧称:パニック障害)は、突然の強い恐怖や不快感とともに動悸、息苦しさ、発汗、めまいなどが出るパニック発作を繰り返し、次の発作への強い心配や行動の変化が続く状態です。発作を一度経験しただけでパニック症と決まるわけではありません。胸痛や息苦しさは心臓・呼吸器などの病気でも起こるため、特に初めての症状や普段と違う症状を「いつものパニック」と自己判断しないでください。

原因

発症の仕組みは一つに特定されていません。体質、脳の恐怖への反応、ストレスなどが関係すると考えられています。カフェインなどで症状が強まる人もいますが、全員に同じ誘因があるわけではありません。診察では発作の起こり方と生活への影響を聞き、症状に応じて身体疾患や薬・物質の影響を調べます。

治療法

治療は本人の希望、症状、併存する病気に応じて、パニック症に特化した認知行動療法、薬物療法などから相談して選びます。国内2025年ガイドラインは習熟した治療者による認知行動療法とSSRIを提案していますが、薬と心理療法のどちらを必ず先に行うか、併用すべきかは一律に推奨していません。ベンゾジアゼピン系抗不安薬は依存や離脱に注意が必要で、第一選択とはされていません。薬の効果が出る時期や終了時期には個人差があります。「発作が止まってから必ず半年~1年」という固定期間で自己判断せず、主治医と再診・減量の計画を立てます。

初めての強い胸痛・息苦しさは救急判断を優先

強い胸痛が続く、意識を失う、呼吸が著しく苦しいなどの場合は119番へ連絡してください。パニック症の診断歴があっても、以前と違う症状なら心臓・呼吸器など別の病気を考えます。発作だと決めつけて救急受診を遅らせないでください。

繰り返す発作や外出の回避は医療機関へ

発作を繰り返す、次の発作が怖くて外出や通学・仕事を避ける、症状が生活に影響している場合は内科や心療内科・精神科に相談してください。初診では発作の始まり方、頻度、続いた時間、服薬・カフェイン、身体の病気について伝えます。

発作とパニック症は同じではない

一度のパニック発作だけではパニック症と診断できません。予期しない発作の反復に加えて、その後少なくとも1か月の心配や行動変化などを診察で確認します。症状が似た身体疾患や物質の影響がないかも個別に調べます。

発作中は安全を確保し、ゆっくり呼吸

以前に医療者からパニック発作と説明され、今回も同じ症状なら、安全な場所で無理に動かず、呼吸をゆっくり整え、発作が過ぎるのを待ちます。症状が長引く、いつもと違う、胸の痛みや息苦しさが強い場合は、パニックと決めず医療機関に連絡してください。

認知行動療法は専門家と段階的に進める

認知行動療法では、発作時の体の感覚への受け止め方や避けている状況への対応を、習熟した治療者と練習します。避けてきた場所へ家族だけで無理に連れ出す方法ではありません。心理療法を受けられる場所や通院方法を担当医に相談してください。

薬の選択と中止は主治医と決める

国内ガイドラインはSSRIを治療候補として提案し、ベンゾジアゼピン系薬を第一選択とはしていません。SSRIの効果には数週間かかることがあり、副作用も確認しながら調整します。処方薬を急に中止・減量せず、効き方や困りごとを診察で伝えてください。

参考資料

  1. Panic Disorder: What You Need to Know米国国立精神衛生研究所(NIMH)
  2. Panic disorder: symptoms, diagnosis, treatment and self-help(2023年8月最終レビュー)NHS
  3. パニック症の診療ガイドライン 第1版(2025年)日本不安症学会・日本神経精神薬理学会
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