概要
CO₂ナルコーシスは、息を十分に吐き出せず血液中に二酸化炭素が蓄積し、強い眠気や意識障害を起こす危険な状態です。頭痛、ぼんやりする、呼びかけへの反応が鈍い、呼吸が浅いなどの変化が手がかりです。COPDなどの慢性呼吸不全がある人に急な眠気や意識の変化が出たら、すぐに救急医療へ相談してください。酸素を使用中でも、自己判断で止めたり流量を変えたりしないでください。
原因
COPDの増悪、肥満低換気症候群、神経筋の病気などで肺の換気が不足すると、二酸化炭素を十分に排出できなくなります。二酸化炭素がたまりやすい人では、必要以上に高い濃度の酸素投与が高CO₂血症を悪化させることがあります。ただし、酸素を『肺が処理しきれない』ためではなく、換気や肺内のガス交換が変化するためです。低酸素がある場合には適切な酸素投与も必要です。
治療法
救急医療で呼吸状態、酸素飽和度、血液ガスの二酸化炭素と酸性度を評価し、COPD増悪や感染症などの原因を治療します。酸素は中止を前提にせず、二酸化炭素がたまりやすい人では医療者が目標の酸素飽和度に合わせて慎重に調整します。急性の高CO₂血症と呼吸性アシドーシスがあれば、非侵襲的人工呼吸(NIV)などの換気補助を検討し、状態によっては挿管して人工呼吸管理を行います。在宅酸素を使う人は、眠気や意識の変化が出たら流量を自分で操作せず、緊急に相談してください。
急な眠気・意識の変化は救急へ
慢性呼吸不全がある人の強い眠気、ぼんやりした様子、呼吸の浅さは高CO₂血症の可能性があります。家族も変化に気づいたら直ちに救急医療へ相談してください。
酸素を自分で止めない・増やさない
酸素の過剰投与は高CO₂血症を悪化させることがありますが、低酸素も危険です。酸素の使用量は自己判断で変えず、医療者に相談してください。
血液ガスでCO₂と酸性度を確認
指先の酸素飽和度だけではCO₂の蓄積を判断できません。救急では血液ガスなどで確認し、必要なら酸素を調整しながら換気を補助します。