概要
強直性脊椎炎は、骨盤の仙腸関節や背骨を中心に炎症が続く体軸性脊椎関節炎の一型です。若い頃から腰やお尻が長く痛み、朝や夜にこわばり、動くと軽くなることがあります。かかとなど腱が骨につく部分、股関節にも症状が出ることがあります。目の痛み・充血を伴うぶどう膜炎や腸の炎症を合併する場合もあります。女性にも起こるため、男性だけの病気とは考えません。
原因
発症の原因は一つに特定されていません。HLA-B27などの遺伝的な素因と免疫の働きが関係しますが、HLA-B27の検査だけで診断・否定はできません。症状の経過、診察、炎症を示す血液検査、仙腸関節や背骨のX線・必要に応じたMRIなどを組み合わせ、ほかの腰痛や脊椎関節炎と区別します。
治療法
痛みやこわばりの程度に応じ、無理のない運動・理学療法と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を基本に検討します。薬の胃腸・腎臓などへの影響を確認しながら使います。活動性が高く、これらで十分に抑えられない場合は、専門医がTNF阻害薬やIL-17阻害薬などを検討します。これらの治療では感染症の確認と経過観察が必要です。高度な股関節障害や脊椎変形では手術を考える場合がありますが、通常の治療の第一段階ではありません。
動くと楽になる腰痛が長引く
腰・お尻の痛みが3か月以上続き、朝にこわばる、夜に目が覚める、動くと改善する場合はリウマチ・膠原病内科などに相談します。
目の痛みと充血は眼科へ
強直性脊椎炎で目の痛み、充血、まぶしさ、見えにくさが生じたらぶどう膜炎の可能性があるため、速やかに眼科へ相談してください。
血液検査一つで決められない
HLA-B27や炎症反応は参考になりますが、単独で確定できません。症状・診察・画像を合わせて評価します。
現在は生物学的製剤も選択肢
運動とNSAIDsで十分に抑えられない活動性の高い病気では、TNF阻害薬やIL-17阻害薬などを専門医と検討します。