病気診断.net病名・症状から調べる病気の辞典

腎血管筋脂肪腫

最終改定日:

概要

腎血管筋脂肪腫は、血管・平滑筋・脂肪からなる腎臓の腫瘍です。通常の型は良性で、健診などの画像で偶然見つかることがあります。症状がなくても経過を確認する場合があり、出血すると腰・わき腹の痛みや血尿が生じます。大量出血は緊急の治療を要します。まれな類上皮型などは性質が異なるため、腎臓の腫瘍をすべて良性と決めつけません。

原因

明らかな関連疾患がなく生じる場合と、結節性硬化症という遺伝性の病気に関連する場合があります。結節性硬化症では腎臓以外の臓器にも病変が生じ、両方の腎臓に複数の腫瘍ができる場合があります。腎血管筋脂肪腫が見つかっただけで結節性硬化症と診断されるわけではありません。出血の危険は大きさや増大、腫瘍内の血管、関連疾患などにより異なります。

治療法

泌尿器科で画像と症状、出血の危険や腎機能から、定期的な観察か治療かを相談します。治療には腫瘍へ流れる動脈をカテーテルで塞ぐ方法や手術があり、可能な限り腎機能を残すことを重視します。破裂・出血には緊急の止血を要する場合があります。結節性硬化症に伴う成人の腎血管筋脂肪腫では、エベロリムスによる薬物療法も検討します。全員に同じ治療を行う病気ではありません。

急な強い腰・腹部の痛みは、出血の評価を急ぐ

突然の強い腰・わき腹・腹部の痛み、血尿やふらつきなどが出たら、出血の可能性もあるため早急に受診してください。血尿がないだけで出血を否定しません。倒れる、意識が変、強い息苦しさなどがある場合は119番です。腫瘍の診断歴と、血液を固まりにくくする薬などの服薬を伝えます。薬の中止を自分で決めず、救急の担当者に確認してください。

画像で良性と確認できるかを確かめる

超音波・CT・MRIなどで腫瘍の脂肪成分、大きさ、血管と出血の状態を確認します。脂肪が少ない型などは腎癌との区別が難しいことがあり、追加の検査や治療が必要かを専門医と相談します。すべての人に同じ検査や生検を行うわけではありません。説明を受ける際は『腎血管筋脂肪腫と判断できる根拠』『まだ区別が必要な病気』を聞いておくと、観察の理由を理解しやすくなります。

大きさだけで決めず、観察の予定を共有

4cmという数字だけで、全員に処置が必要になるわけではありません。症状、増大の経過、動脈瘤など血管の状態、結節性硬化症の有無と腎機能を踏まえて判断します。観察する場合も次の検査時期、治療へ切り替える条件、急変時の連絡先を確認しましょう。妊娠の希望や腹部を強く打つ可能性のある活動、救急医療へのアクセスも伝え、生活に合う計画を相談してください。

止血と腎機能の温存を、方法ごとに相談

動脈塞栓術は、腫瘍への血流を減らして止血や縮小を図る方法です。追加の治療が必要になる場合もあります。手術が必要な場合は、部分切除などで腎臓を残せるかを相談します。止血が難しい場合や悪性の病気との区別が難しい場合には、別の対応が必要になることがあります。各方法の目的、腎機能への影響、追加治療の見込み、通院と回復の負担を説明してもらいましょう。

結節性硬化症に関連する場合は、長期の管理を

結節性硬化症が疑われる場合は、関連する臓器の評価や遺伝に関する相談の必要性を専門医に確認します。診断されている場合は、腫瘍の画像だけでなく腎機能と血圧も継続して確認します。エベロリムスなどを使う場合は、期待する効果と検査予定、注意する副作用を聞いてください。薬を使うことだけで良性腫瘍が癌になったという意味ではありません。

薬を使う場合は、感染や呼吸の症状を早めに相談

エベロリムスでは感染症、口内炎、肺や腎臓への影響などに注意が必要です。服用中に咳・息切れ・発熱が出た場合は、すぐに処方医へ連絡してください。つらい口内炎なども我慢せず相談し、体調がよくなっただけで中止・減量しません。妊娠・授乳の希望、他の薬・サプリメントや予防接種の予定も先に確認します。薬を使わない場合も含め、治療後の画像と腎機能の確認を続けましょう。

参考資料

  1. 腎細胞癌診療指針2026:3.5.6腎血管筋脂肪腫・治療と3.6の該当推奨欧州泌尿器科学会(EAU)
  2. 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫診療ガイドライン2023:病態・画像の選択ページ、BQ2・3・4とCQ2・3の選択臨床本文日本泌尿器科学会・日本結節性硬化症学会
  3. アフィニトール錠患者向医薬品ガイド(2024年6月):結節性硬化症の治療対象、使用前・使用中の注意と副作用の選択ページ医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  4. 救急車利用リーフレット・成人版:急な呼吸困難・胸痛・意識障害・出血総務省消防庁
ページの先頭へ