概要
胆嚢腺筋症(胆のう腺筋腫症)は、胆嚢の壁が部分的または全体に厚くなり、壁の中に小さな袋状の構造が見える良性の病変です。健診の超音波検査で偶然見つかることが多く、通常は症状がありません。胆石を伴ったり胆嚢炎が起きたりすると右上腹部痛などが出る場合があります。胆嚢がんと画像で紛らわしいことがあるため、『良性だから検査不要』と自己判断せず、画像所見を確認することが大切です。
原因
胆嚢の粘膜が壁の筋層へ入り込む構造と、筋層の肥厚などが特徴です。原因は明確には分かっておらず、慢性炎症だけが原因と決まったものではありません。底部に限局する型、胆嚢にくびれを作る分節型、広範囲に及ぶ型があります。分節型では胆汁のうっ滞から結石を伴う場合があります。胆嚢腺筋症そのものが胆嚢がんに変わりやすいとする確かな関係は示されていませんが、がんとの画像上の区別は重要です。
治療法
超音波で典型的な所見があり無症状なら、通常は手術を要しません。日本胆道学会は年1回程度の腹部超音波での経過観察を案内していますが、間隔は担当医と相談してください。壁の層が不整・断裂するなど胆嚢がんが疑われる所見では、MRI、CT、超音波内視鏡などで詳しく調べます。腹痛の原因と判断された場合や、精査しても胆嚢がんと区別できない場合には胆嚢摘出を検討します。右上腹部の強い痛み、発熱、黄疸があれば胆石・胆嚢炎なども考えて早めに受診してください。
壁の厚さだけで判断しない
壁内の小嚢胞など典型所見に加え、壁の層が不整・断裂していないかを確認します。疑わしい所見はMRI・CT・超音波内視鏡で精査します。
無症状なら経過観察
がんを疑う画像所見がなければ手術は通常不要です。日本胆道学会は年1回程度の超音波検査を案内しています。
手術を検討する条件
腹痛の原因と判断された場合や、検査しても胆嚢がんと区別できない場合に胆嚢摘出を検討します。
強い痛み・発熱・黄疸は相談
胆石や胆嚢炎などが原因のこともあります。右上腹部の強い痛み、発熱、黄疸があれば早めに医療機関へ。