概要
特発性大腿骨頭壊死症は、股関節をつくる大腿骨頭の一部で血流が障害され、骨が壊死する病気です。壊死が起きただけでは痛みがないこともあります。体重を支える部分がつぶれる(圧潰する)と比較的急に股関節が痛み、足を引きずるように歩くことがあります。膝や臀部、腰の痛みとして気づく場合もあります。股関節や膝の痛みが続くときは整形外科で相談してください。
原因
骨頭への血流障害が関係しますが、発症の仕組みは一つに決まっていません。副腎皮質ステロイド薬の使用や多量の飲酒との関連が知られています。ただし、薬を使う人全員が発症するわけではなく、自己判断でステロイドを中止しないでください。骨頭の荷重部に占める壊死の大きさ・位置は圧潰のリスクに関係します。
治療法
診察とX線で股関節の状態を調べます。初期にはX線で変化が見えないことがあり、疑われる場合はMRIが重要です。壊死が小さく症状が軽い場合は杖などで負荷を調整し、鎮痛薬を使いながら経過をみます。これらは壊死した骨を元に戻す治療ではありません。壊死域が広く圧潰が進む可能性が高い場合は、骨頭を温存する骨切り術などを検討します。変形が進み温存が難しい場合は人工股関節置換術が選択肢です。年齢、症状、壊死範囲と圧潰の程度で方針を決めます。
初期のX線だけでは判断できない
股関節や膝の痛みが続き、ステロイド治療歴や多量飲酒などの背景があるときは医師に伝えてください。初期のX線では骨頭の壊死が写らない場合があり、必要ならMRIで確認します。
壊死の範囲と圧潰で治療を選ぶ
杖や鎮痛薬で痛みが軽くなっても、壊死した範囲と荷重部の位置、骨頭の圧潰の有無を画像で評価します。骨を温存する手術と人工股関節のどちらを検討するかは、その結果と生活上の支障で変わります。
ステロイド薬を自分で中止しない
ステロイド薬は大切な基礎疾患の治療に必要な場合があります。関連を心配していても自己判断で減量・中止せず、処方医と整形外科に薬の種類と使用歴を伝えて相談してください。