概要
過活動膀胱は、突然起こる我慢しにくい強い尿意(尿意切迫感)を中心に、昼間の頻尿や夜間に排尿のために起きる症状などがある状態です。トイレに間に合わず漏れる切迫性尿失禁を伴うこともありますが、尿漏れのない人もいます。頻尿だけで過活動膀胱と決めることはできません。仕事・外出・睡眠への支障も含めて相談できます。
原因
膀胱の蓄尿や尿意の調節に関わる神経・筋肉の変化などが関係します。加齢、脳や脊髄の病気、前立腺肥大症などに伴う場合や、明確な原因が分からない場合があります。似た症状を起こす尿路感染症・結石・腫瘍や、尿量が増える原因、尿が出しきれない状態も確認します。全員が同じ少量の尿で症状を感じるとは限りません。
治療法
生活と飲水の見直し、膀胱訓練や骨盤底筋訓練、β3受容体作動薬・抗コリン薬などを、症状・持病・残尿・副作用のリスクに応じて選びます。水分を一律に制限する治療ではありません。十分に改善しない場合は専門医が診断や治療を見直し、条件に応じてボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法なども検討します。
尿意・尿漏れ・出しにくさを分けて伝える
「突然我慢できない尿意」「咳や運動で漏れる」「尿の勢いが弱い・残った感じがする」を分けて伝えましょう。複数の問題が重なる場合もあります。排尿の回数だけでなく、困る場面や避けている活動を説明すると、検査と治療の目標を決める助けになります。
尿検査と残尿の確認、追加検査の目的を聞く
問診・診察、尿検査、排尿後に残る尿の測定などで、似た症状の原因や治療の安全性を確認します。症状質問票も評価に使います。CT・MRI・膀胱鏡などを全員に行うわけではありません。血尿、痛み、尿が出にくいこと、手術歴や神経の病気があれば伝え、追加検査の理由を確認しましょう。
数日の日誌で尿量と飲み方を見えるようにする
医師の指示に合わせ、目安として3日程度、排尿時刻・尿量、飲んだ時刻・量、強い尿意や尿漏れ、就寝・起床を記録します。仕事の日と休日の違いも役立ちます。夜間に尿量自体が増える状態などの確認に使うもので、回数だけで自己診断するためではありません。
飲水と訓練は、無理なく続けられる計画に
飲水が多すぎる・少なすぎる場合や、カフェインの影響を確認し、持病や生活に合わせて調整します。膀胱訓練・骨盤底筋訓練は医療者から方法を教わりましょう。排尿困難や痛みがある状態で自己流に我慢を続けず、改善しない・負担が大きい場合は計画を見直します。
効き方と副作用を、再診で一緒に評価
薬で尿意・尿漏れや生活への支障がどれだけ変わったかを伝えます。抗コリン薬では口の渇き・便秘・尿の出にくさなどに注意し、認知機能や他の薬も含めて選びます。β3受容体作動薬も薬ごとに注意点が異なります。開始前に持病と薬の一覧を見せ、副作用や効果不足のときの連絡・再評価の時期を確認しましょう。
血尿・痛み・出しにくさは別の問題も確認
血尿や続く膀胱・尿道の痛み、尿が出にくい・出ない場合は、いつもの過活動膀胱と決めつけず速やかに医療機関へ相談します。効果が乏しくても自己判断で薬を増やさず、残尿や別の原因、訓練の方法を再確認します。専門治療を検討する場合は、期待する効果、尿路感染や排尿への影響、通院・処置後の対応を聞きましょう。