病気診断.net病名・症状から調べる病気の辞典

慢性糸球体腎炎

最終改定日:

概要

慢性糸球体腎炎は、糸球体の炎症や障害が長い経過をたどる病気の総称です。一つの原因や病型だけを指すものではありません。血尿や尿タンパク、血圧上昇が見られ、自覚症状が乏しく健診で発見される場合もあります。むくみ、だるさ、食欲の低下などを伴うこともあります。症状の有無だけで重症度は分からないため、尿と血液の検査で腎機能と経過を確認します。

原因

IgA腎症など、免疫の働きが関係する糸球体の病気が原因になるほか、全身の自己免疫疾患、感染症、遺伝性の病気などが関係する場合があります。急性の腎炎から長期の問題が残ることもありますが、全員が急性腎炎を経て発症するわけではありません。病歴、血液・尿検査、必要に応じた腎生検などを組み合わせ、具体的な病型と治療できる原因を調べます。

治療法

病型、尿タンパクの量、腎機能、血圧などに応じて治療します。原因となる病気への治療、血圧や尿タンパクを抑えて腎臓を守る薬、むくみへの利尿薬などを検討し、病型によってはステロイドや免疫抑制薬を使います。全員が同じ薬や安静を必要とするわけではありません。食事・運動・服薬と定期検査を個別に計画し、腎機能低下と合併症の進行を抑えることを目指します。

急な尿量低下やむくみ・呼吸症状は、予約を待たず相談

通院中でも、尿が明らかに少ない、むくみや体重が急に増える、強いだるさ・吐き気などが出たら、治療先へ早めに連絡してください。急な呼吸困難、意識がおかしい、けいれんは119番です。「慢性」という病名でも、急な悪化がないとは限りません。予約外の連絡先を確認し、今の症状といつから変わったかを伝えましょう。

健診の異常は、症状がなくても結果を持参して相談

健診で血尿・尿タンパク・腎機能の異常を指摘されたら、結果を持参してかかりつけ医や腎臓内科へ相談します。尿の色が赤くなくても血尿はあり得ます。尿検査、クレアチニンなどの血液検査、血圧、必要に応じた画像・原因の検査で評価します。一度の尿の見た目だけで病名を決めず、いつ再検査するかと、専門医の評価が必要かを確認しましょう。

腎生検は、目的・出血への注意・結果の説明を確認する

腎生検は少量の腎組織を採って、病型や傷み方を調べる検査です。尿・血液検査だけでは不足する情報があり、治療の選択に役立つときに検討します。全員に必要とは限りません。期待できる情報と出血などの危険、入院や活動の予定を相談します。処方薬・市販薬・サプリメントを全て伝え、血液を固まりにくくする薬も自分で中止せず、医師の指示を確認してください。

病型への治療と、腎臓を守る治療の目的を聞く

炎症や原因の病気を治療する薬と、血圧・尿タンパク・むくみなどを管理する薬では目的が異なります。ステロイドを全員に使うわけではありません。自分の薬の目的、効果を見る検査、副作用と体調不良時の連絡先を確認しましょう。病型ごとの治療を別の患者の薬や新薬情報から自己判断で選ばず、市販薬・サプリメントも含めて医師・薬剤師へ相談してください。

栄養と活動を保ちながら、食事・水分・運動を調整

減塩やタンパク質・カリウムの調整が必要かは、腎機能、血液検査、栄養状態などで異なります。極端な制限で食事量や体重が落ちないよう、管理栄養士と相談します。水分も、自己判断で大量に増やしたり厳しく減らしたりしないでください。全員が長い安静を続ける方法ではなく、病状と体力に応じた活動・運動を担当医と決めます。急に体調が悪いときは、通常の活動を続けず相談しましょう。

尿タンパク・腎機能・血圧を追い、治療計画を共有

自覚症状が軽くても、尿タンパクや腎機能の変化を定期的に確認することが大切です。検査結果の推移、家庭で測る血圧や体重の必要性、次の受診日を確認します。持病の診療科が複数ある場合は、薬と検査結果を共有しましょう。病型によっては改善や再発があり、全員が同じ速さで透析へ進むわけではありません。自分の病型と見通し、治療で目指す状態を相談してください。

参考資料

  1. 日本腎臓病総合レジストリー研究計画書Ver.3:急性・慢性・急速進行性腎炎症候群の定義(PDF35ページ、2025年4月)日本腎臓学会・日本腎臓病総合レジストリー研究班
  2. Glomerular Disease:症状・原因・検査・治療(2022年6月見直し)米国国立糖尿病・消化器病・腎疾病研究所(NIDDK)
  3. Clinical Guidelines for Post-Streptococcal Glomerulonephritis:検査・治療・抗菌薬の目的(2025年8月5日)米国疾病予防管理センター(CDC)
  4. 患者さんとご家族のためのCKD療養ガイド2024(現行第4刷):水分・運動・多職種支援、食事と制限しすぎへの注意(冊子28・30–31・34–38ページ)日本腎臓学会
  5. 救急車利用リーフレット・成人版:急な呼吸困難・胸痛・意識障害・出血総務省消防庁
  6. 救急車利用マニュアル:こども(15歳以下)総務省消防庁
  7. Kidney Biopsy:検査の目的、服薬確認、出血と結果説明(2022年3月見直し)米国国立糖尿病・消化器病・腎疾病研究所(NIDDK)
ページの先頭へ