概要
ブルガダ症候群は、心電図に特徴的な波形が現れ、心室細動などの危険な不整脈を起こすことがある病気です。心室細動は心室が不規則に震え、全身へ十分な血液を送り出せなくなる状態で、失神や心停止の原因になります。
症状がないまま健診で見つかることも多く、心電図の指摘だけで突然死すると決まるわけではありません。男性に多いものの女性や子どもにも起こり得ます。健診の『ブルガダ型心電図の疑い』には診断が確定していない場合もあり、循環器内科・不整脈の専門医で確認します。
原因
心臓の電気的な働きに関わる遺伝的要因などが関係します。SCN5Aという遺伝子の病的な変化が見つかる人もいますが、全員で原因遺伝子が分かるわけではなく、複数の要因が関わる病気と考えられています。
家族に同じ病気の人がいないことや、遺伝子検査で異常が見つからないことだけで否定できません。発熱、特定の薬、過度な飲酒などで心電図の変化や不整脈が出やすくなることがあり、診断後は誘因への対策も大切です。
治療法
症状、心電図、過去の心停止・失神、家族歴などをもとに危険性を評価します。低い危険性と判断されれば、生活上の注意を守りながら定期的に診察や心電図検査を受けます。『症状がないから受診も対策も不要』という意味ではありません。
心室細動や心停止の既往がある場合などには植込み型除細動器(ICD)を検討します。発作が繰り返す場合などは薬やカテーテル治療を使うこともあります。家族に突然死した人がいるという情報だけで全員にICDを入れるわけではなく、検査結果を含めて専門医が判断します。
健診の結果・失神・家族歴を伝える
健診結果や過去の心電図を持参してください。失神があれば、そのときの姿勢・時間帯・前ぶれ、目撃者が見た様子を伝えます。睡眠中に苦しそうな呼吸をしたことや、血縁者の若年での突然死も重要な情報です。 心電図の記録位置を変えたり、日を変えて記録したりする場合があります。負荷検査や遺伝子検査は全員に一律に行うものではありません。必要性、得られる情報、危険性について説明を受けて判断しましょう。
発熱したときと薬を使うとき
発熱時には早めに熱を下げる対応が大切です。診断されたら、使える解熱薬、連絡先、どの症状なら救急受診するかを平時に担当医へ確認してください。発熱したときは、決めておいた方法で対応し、早めに医療機関へ連絡・相談しましょう。 他の診療科・歯科を受診するときや、薬局で市販薬を買うときも病名を伝えます。処方薬を自分で中止せず、使ってよい薬か医師・薬剤師に確認してください。過度な飲酒や体温が上がりすぎる長時間・高温の入浴も避けましょう。
失神・反応がないときの対応
意識が遠のく、強い動悸や息苦しさが続く場合は119番です。失神から回復しても、原因の評価が必要なので速やかに医療機関へ相談してください。 倒れて呼びかけに反応がない場合は、周囲の人が119番通報とAEDの手配を行い、通信指令員の指示に従ってください。家族や職場にも病気と緊急時の対応を共有しておきましょう。
遺伝子検査と家族の相談
遺伝子検査は診断や家族の評価に役立つ場合がありますが、検査だけで発作の有無や時期を確実に予測できません。心電図や症状、家族歴と合わせて解釈します。 血縁者に若年で突然死した人がいる場合も、まず専門医に相談して必要な検査を受けます。遺伝子検査を考える場合には、結果が本人や家族に何を意味するか、遺伝カウンセリングを含む説明を受けてください。