概要
動脈硬化は、動脈の壁が厚くなったり硬くなったりして、血液を運ぶ働きに影響する状態です。特に、血管の壁にコレステロールなどがたまる粥状(じゅくじょう)動脈硬化は、心筋梗塞、脳梗塞、足の血流障害などに関係します。症状がない段階から進むことがあり、症状の有無だけでは危険度を判断できません。
原因
LDLコレステロールの高値、高血圧、糖尿病、喫煙、慢性腎臓病、加齢や家族歴などが関わります。複数の要因を合わせて評価することが大切です。若いころからLDLが高い人や、家族に若くして心筋梗塞になった人がいる場合には、家族性高コレステロール血症(FH)などの遺伝的な背景も確認します。
治療法
治療の目的は、血管の病変を管理し、心筋梗塞や脳卒中などを防ぐことです。禁煙、食事や身体活動の見直しと、血圧・血糖・脂質などの治療を組み合わせます。薬を始める時期や管理目標は危険度に応じて決めます。血流障害がある場合には、その部位と状態に応じてカテーテル治療や手術などを検討します。
健診の異常は、症状がなくても相談
血圧、LDL・HDLコレステロール、中性脂肪、血糖や腎機能などの結果を、これまでの結果と一緒に受診時に見せてください。治療中の病気、家庭血圧、喫煙、家族の心筋梗塞なども伝えます。LDLなどの診断基準と、自分が治療で目指す値は同じとは限りません。受診先で管理目標と再検査の時期を確認しましょう。
検査は、何を調べるかで選ぶ
血液検査は脂質や血糖などの危険因子を評価します。症状、診察、疑う血管の部位に応じて、超音波、足と腕の血圧を比較するABI、CT・MRIなどを追加することがあります。全員にすべての画像検査が必要という意味ではありません。検査で何を確かめ、結果が治療にどう関わるかを医師に尋ねてください。
改善できることと、治療を続ける理由
血管が硬くなったと聞いても、治療を諦める必要はありません。適切な生活改善と薬で、病変の進行を抑えたり、プラークを安定させたり、改善がみられたりする場合があります。ただし、すべての病変が消える保証はありません。数値が下がっても自己判断で薬をやめず、体調や副作用、続けにくさを相談してください。
禁煙と生活改善は、続けられる形で
喫煙は本数を減らすだけで済ませず、禁煙を目指して支援を相談します。食事や活動は体調と合併症に合わせ、医療者と具体的な目標を決めてください。歩くと胸や足が痛むなどの症状がある場合は、強い運動を始める前に受診が必要です。年齢や体力に合わない減量・運動を一律に行うものではありません。
予防の薬を自分で追加しない
抗血小板薬などが必要かは、すでに起きた病気や出血の危険などで変わります。「血液をさらさらにしたい」という理由だけで、アスピリンを自分で始めないでください。薬やサプリメントの組み合わせも受診時に確認します。処方されている薬は、この記事を理由に中止せず、医師・薬剤師に相談してください。
急な胸痛・麻痺・言葉の異常は119番
急な強い胸の痛み、突然の息苦しさ、片側の手足に力が入らない、言葉が出ない・ろれつが回らない、経験したことのない激しい頭痛などは、すぐ119番してください。脳卒中などの症状がいったん消えても、様子を見てよいとは限りません。日常の予防の相談と、今起きた症状への救急対応は分けて考えます。