概要
単純性びまん性甲状腺腫は、甲状腺全体が大きくなっているものの、検査で明らかなホルモン異常、しこり、炎症などが確認されない状態です。旧称の単純性甲状腺腫として説明されることもあります。
首の前側の腫れで気づく場合があります。首が腫れたという見た目だけでこの診断はできず、甲状腺の働きと形を調べて、ほかの病気がないか確認します。
原因
原因がはっきり分からない場合があり、思春期などに見つかることもあります。甲状腺が大きいからといって、必ずホルモン不足というわけではありません。
甲状腺腫全般ではヨウ素不足が関わる地域もありますが、ヨウ素の過剰摂取でも甲状腺の働きに影響する場合があります。海外の欠乏地域の説明をそのまま当てはめて、海藻やサプリメントを増やさないでください。
治療法
働きが正常で、腫れによる問題もなければ、直ちに薬や手術を行わず経過をみることがあります。検査の予定を確認し、ホルモン値や大きさが変化していないか調べます。
別の原因が分かった場合は、その原因に応じた治療へ見直します。大きさによる圧迫などがある場合も評価が必要です。甲状腺ホルモン薬やヨウ素の補充を全員に勧めるものではありません。
大きさと働きを分けて確認する
TSHや甲状腺ホルモンなどの採血と超音波で、機能異常、しこり、炎症の所見などを確認します。必要に応じて自己抗体なども調べます。『単純性』という説明が現在の検査に基づくものか、次に何を調べるかを確認してください。
変化したときは予定日を待たず相談
経過観察中に腫れが目立つようになった、しこりを感じる、声がかすれる、飲み込みにくい、動悸や体重変化が出るなどの場合は、診断や治療の見直しが必要か相談してください。呼吸が苦しい場合は速やかに受診し、強い呼吸困難では119番へ連絡してください。
食事・サプリメントも相談の材料にする
海藻を極端に避ける、昆布やヨウ素のサプリメントを大量に取るなどの変更を自己判断で行わないでください。ヨウ素の必要性と適量は、病型や検査結果によって判断します。使っているサプリメントの表示や薬の一覧を受診時に見せると確認に役立ちます。