概要
褐色細胞腫は、副腎髄質の細胞から生じる腫瘍です。関連する副腎以外の腫瘍をパラガングリオーマと呼び、合わせてPPGLと扱います。
カテコールアミンというホルモンを過剰に出すと、高血圧、動悸、頭痛、発汗などが起こります。発作的に出る場合も、症状が乏しく画像検査で見つかる場合もあります。重い心臓・血管の合併症を起こすことがあり、専門的な診療が必要です。
原因
腫瘍によりホルモンが過剰につくられることが症状の原因になります。潰瘍が原因となる病気ではありません。遺伝子の変化が関わる例があり、家族歴がない人にも遺伝性の病型が見つかることがあります。
病理検査だけで将来の転移の可能性を完全に否定できるわけではありません。『良性なら今後の確認は不要』と決めつけず、病型・遺伝性・腫瘍の特徴に応じて経過観察します。
治療法
切除できる場合は手術が中心です。ホルモンを過剰に出す腫瘍では、手術中の大きな血圧変動を防ぐため、事前に薬で血圧を整え、循環する血液量なども調整します。
切除が難しい場合や転移がある場合は、薬物療法や放射線を利用する治療などを専門施設で検討します。治療後も再発・転移や別の腫瘍を確認するため、長期の経過観察が必要です。
採血・尿検査と画像検査の役割
ホルモンやその代謝産物を血液・尿で調べ、CTやMRIなどで腫瘍の場所や広がりを確認します。症状だけで診断することはできません。使っている薬やサプリメント、発作時の症状・血圧の記録を診察で伝えてください。
遺伝子検査を相談するとき
検査結果は本人の経過観察だけでなく、家族の検査や受診にも関わる場合があります。遺伝カウンセリングで、何が分かるか、結果によって診療がどう変わるか、家族にどう伝えるかを相談できます。家族歴がないことだけで遺伝性を否定しません。
手術後の通院はなぜ必要か
手術で取り切れた場合も、再発や転移などを確認するため長期間の通院が勧められます。遺伝性や高リスクの病型では生涯の経過観察が必要になる場合があります。血圧・ホルモン検査・画像検査の組み合わせと間隔は、病型や治療結果に合わせて決めます。
別の手術・検査を受ける前に
褐色細胞腫がある、または疑われていることを、別の手術や処置を担当する医療者にも伝えてください。刺激や処置が大きな血圧変動につながる場合があり、準備が必要です。急な強い胸痛、息苦しさ、意識の異常などがあれば119番へ連絡します。