概要
胃食道逆流症(GERD)は、胃の内容物が食道に逆流し、胸やけや酸っぱいものが上がる感じなどの症状、または食道粘膜の傷害を起こす病気です。内視鏡で食道炎が見える人も、見えない人もいます。のどの違和感や声がれだけではGERDと診断できません。食べ物がつかえる、体重が減る、吐血・黒い便がある場合は別の病気も考えて早めに受診してください。
原因
食道と胃の境目の筋肉が一時的に緩むこと、食道裂孔ヘルニア、腹圧の上昇、体重増加などが逆流に関係します。筋肉が年齢で「衰える」ことだけが原因ではありません。食事の量や時間、横になる姿勢などで症状が変わることがあります。コーヒーや特定の食品を全員が禁止する必要はなく、自分で症状が悪化するものを見分けます。
治療法
典型的な胸やけ・呑酸があり警戒症状がない場合、医師は胃酸を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)による期間を決めた治療を検討します。逆流性食道炎の程度により、P-CABと呼ばれる酸分泌抑制薬も選択肢になります。薬の選択と継続は食道炎の程度や反応に応じて調整し、H2受容体拮抗薬や制酸薬をPPIと同じ効果の薬として扱いません。体重が多い場合の減量、就寝2~3時間前の食事を避けること、夜間症状がある場合のベッド頭側の挙上も役立ちます。薬を使っても改善しない、繰り返す場合は自己判断で増量せず、検査や別の原因を相談してください。
つかえ・出血・体重減少は早めに受診
食物を飲み込みにくい、体重が意図せず減る、吐血や黒い便がある場合は消化器内科へ早めに相談します。強い胸痛がある場合は心臓の病気も考え、緊急の評価が必要です。
食道炎が見えなくても症状を評価
胸やけや呑酸の有無を確認し、警戒症状や治療への反応によって内視鏡などの検査を検討します。のどの違和感だけなら他の原因を先に評価します。
酸を抑える薬は目的に合わせる
PPIは典型的な症状や逆流性食道炎の治療に用います。処方された服薬時刻と期間を守り、改善後の中止・減量や継続は医師と相談します。
就寝前の食事と夜間の逆流に注意
就寝2~3時間前の食事を避け、体重が多い場合は減量を検討します。夜間の逆流にはベッドの頭側を上げる方法があります。症状を誘発する食品は人ごとに見極めます。