概要
肺嚢胞は、肺の中に空気を含む袋状の変化です。画像上の『嚢胞』と、肺気腫などに伴う『ブラ(肺大疱)』は厳密には区別されます。単発の小さな嚢胞、巨大なブラ、多数の嚢胞をつくる病気では原因も対応も異なります。検診の画像で偶然見つかり無症状のことがあります。突然の胸痛と息苦しさが出た場合は気胸などを疑い、早急に受診してください。
原因
肺の袋状の陰影には、喫煙に関連する肺気腫のブラ、先天的な変化、まれな嚢胞性肺疾患など、複数の原因があります。『喫煙や炎症などがない』ことが肺嚢胞の定義ではありません。画像で単発か多発か、壁の厚さ、周囲の肺の状態を確認し、真の嚢胞とブラなどを区別します。大きなブラが正常な肺を圧迫する場合と、小さく症状のない嚢胞では方針が違います。
治療法
胸部CTなどで病変の種類と周囲の肺、気胸の有無を評価し、必要に応じて呼吸機能も調べます。症状のない典型的なブラは、すぐに切除が必要とは限りません。大きなブラが正常な肺を圧迫して息切れを起こす場合や、気胸・感染などを伴う場合は、呼吸器外科で手術の利益とリスクを検討します。気胸を起こした場合は嚢胞そのものの手術とは別に、空気を抜く処置が必要なこともあります。禁煙が必要な人は禁煙を相談してください。
嚢胞とブラを区別する
『肺嚢胞』という見出しだけで病気は決まりません。CTで単発・多発、壁や周囲の肺を確認し、真の嚢胞とブラ、ほかの嚢胞性肺疾患を区別します。
突然の胸痛・息切れは気胸を確認
嚢胞が破れて気胸になることがあります。急な胸の痛みと息苦しさが出た場合はすぐに医療機関で胸部画像を確認してください。
大きさだけで手術を決めない
巨大ブラが正常な肺を圧迫し息切れを起こす場合などに切除を検討します。無症状で小さな嚢胞をすべて切除するものではなく、画像と呼吸機能、合併症で判断します。