概要
じん肺は仕事などで特定の粉じんを吸い込み、肺に変化が生じる病気の総称です。はじめは症状が乏しく、進むと咳、痰、動いたときの息切れなどが出ます。石綿による石綿肺、結晶性シリカによる珪肺、石炭粉じんによる炭鉱夫じん肺など、吸った粉じんで病型が異なります。過去に粉じん作業をした人も、長引く咳や息切れがあれば職歴を医師に伝えてください。
原因
粉じん作業で吸い込んだ粒子に肺が反応することが原因です。曝露から長い年月を経て見つかることがありますが、非常に強いシリカ曝露では短い期間で進むこともあります。診断では作業歴・曝露歴と胸部X線やCT、呼吸機能検査を合わせて評価します。日本ではじん肺健康診断の結果に基づく管理区分があり、管理1は所見なし、管理2以上は所見ありを示します。石綿曝露に関連する中皮腫を、すべてのじん肺に共通する必然的な合併症と捉えてはいけません。
治療法
肺に生じた線維化を元通りにする治療はありませんが、「進行を抑える方法はない」と諦める必要はありません。職場の粉じんを減らして追加曝露を避け、禁煙し、定期健診と呼吸器診療を続けます。症状や合併する気道の病気に応じて吸入薬などを用い、低酸素血症では酸素療法を検討します。息切れが増えた、発熱した、胸痛が出た場合は感染症や気胸など別の問題も確認します。粉じん作業をやめた後の健康管理や手帳の対象は管理区分により異なるため、医療機関と労働局に相談します。
粉じん作業歴を具体的に伝える
職種、扱った材料、作業期間と防じん対策を受診時に伝えます。
画像・呼吸機能と管理区分を確認
じん肺健康診断の結果と管理区分を把握し、必要な定期フォローにつなげます。
追加曝露を避け禁煙する
粉じんの発生を減らす対策と禁煙は、今後の肺への負担を減らすうえで重要です。
退職後も管理を続ける
管理2・3の人は退職時の健康管理手帳などについて事業者や労働局に相談できます。